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In the darkness (Dans le noir ?) 暗闇のレストラン

"Dan Le Noir ?" とはフランス語で暗闇の中、という意味で2004年にフランスのパリでオープンして以来とても人気の真っ暗闇ダイニングレストランです。ロンドン支店は世界最大級の真っ暗レストランになります。どれくらい真っ暗かというと。。。本当に真っ暗で自分の手も見えないので、何を食べてるのか分からない暗さです。このレストラン、元々はスイスのチューリッヒで盲目の人のためのファンデーションが2000年にオープンさせたレストランが始まりで、今ではヨーロッパ各地、またニューヨークやバンコクなどにもチェーンがあります。そもそも、日常生活ではここまでの暗さを経験することは滅多にありません。さらに、そんな暗闇の中で食事をするというのはとてもユニークなコンセプトだと思います。

週末はとても混んでいるので、2−3週間は前もって予約しておきます。今回、私も土曜日の夜の予約だったので3週間前にブッキングしてとても楽しみにして行きました!Dans Le Noir ? はFarringtonの駅から歩いて5分くらいのところにあります。外から見た感じでは普通のレストランとあまり変わりはありません。まず入ったすぐのところは小さなバーが付いているレセプションエリアになっています。そこで、ウェイトレスの人がレストランの説明をしてくれたり、ロッカーもあるのでコートなどもしまっておきます。そして、席の準備ができるまで、2階のバーラウンジで食前酒を飲んだり、あらかじめオーダーをしておくので、メニューを選んだりします。メニューは全てコースになっていて、Fish, Meat, Veterinarian, Surprise の4種類が基本のコースになっています(そのほかにもワイン付きのコースやスペシャルコースなどもあります)。私はどうせ暗闇で何も見えないので、サプライズのコースに決めてブラックマーティーニを飲みながらわくわくして待っていました。席の準備ができると、また1階に戻って、いよいよ暗闇の中に入っていきます。

ここからは、本当に今までに体験したことのないような真っ暗闇なので、ウェイターのシリルの肩に掴まって移動します。暗闇の中でのウェイターは全員全盲、もしくは全盲に近い人たちが働いていて、彼らにとってはこの暗闇が日常なので、この場合、彼らの方が自信を持って案内したり、お皿の上げ下げをすることができます。最初暗闇に入ってすぐはちょっと暗すぎて何も見えなすぎて居心地が悪いような気分になります。席について、隣のテーブルの人たちとおしゃべりしたり、少し自分のテーブルにおいてあるナイフやフォークやコップの位置を確認できるようになると、落ち着いて段々暗闇を楽しむことができるようになってきます。よく、田舎や山の中で、夜を過ごすときに真夜中、外を探検する時、最初のうちは真っ暗で何も見えなくても、星や月の明かりで段々目が慣れていって少しずつ見えるようになってきたりすることはありますが、この真っ暗闇空間ではいくら時間が経っても目は慣れずに何も見えないままディナーが始まります。

スターターが来て、最初はナイフとフォークを使って普段通りに食べようとしたのですが、何を切ってるのかもどこに料理があるのかも分からないので、最終的には全部手で食べてしまいました。周りの人たちも皆手で食べていると言っていたのですが、多分、皆手で食べてしまうので、火傷をしないように、暖かい食べ物でも、熱すぎず、指でつまんでも大丈夫な適温になっています。料理はフレンチベースなので、とてもおいしいのですが、私は"サプライズ"を頼んでいたので、何のお肉を食べているのがはっきりってよく分かりませんでした。スターター、メイン、と進んで、最後はデザートも出ます。全部とてもおいしくて、大満足なのですが、依然何を食べたのか良く分からないような、暗闇の中でやっぱり緊張しているのか、それとも、やっぱりお料理は目でも楽しむ、そして目で"確認"することができなかったからか、なんか不思議な感覚になります。

お料理以外では、暗闇、というなかで視覚を失うと、ほかの感覚が鋭くなる、という予想通り、やたら運ばれてくるお料理の匂いに敏感になったり、周りの人たちと話すときに、普段使っている、ボディーラングエッジ、ジェスチャー、うなづき、など全てがキャンセルアウトされてしまうので、必要以上に大きな声で話す傾向があるようです(わたしもディナーの後は声が枯れていました)。また、隣のテーブルの知らないグループの人たちとも話して仲良くなったり、普通のレストランではあまりない経験を沢山しました。そして、このレストランでお誕生日を祝う人も多く、私が座っていた2時間中で4組もハッピーバースデーをお祝いしていました!

最後はまた、シリルの肩に掴まってレセプションエリアに戻ると、今日食べたメニューを知らせてもらいます。私の食べたサプライズメニュー、メインコースはなんと、ワニのステアフライでした!

ただおいしいお料理を食べた、というだけじゃなく、普段では絶対に味わえないセッティング、そして、それ以上に視覚を失った世界を体験することによって目の不自由な人たちへの意識を高めることもできるので、とてもおススメのレストランです。



Dans le noir ? (ロンドン支店)
http://www.danslenoir.com/london/
2009年11月03日(火) written by Ayako from (イギリス)
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