オークニー諸島の伝統品−ブライド・コッグ | イギリス

オークニー諸島の結婚式では 欠かせないコッグはこちら

　オークニー諸島の人々は自分たちのことをオーカディアン人(Orcadian)と呼び、イングランド人・スコットランド人の人々とはまた違う文化を大切にしています。彼らはケルト民族やまたその文化が根付いているスコットランドに“属している”という意識はあまりなく、バイキングの末裔であるという意識の方が高く、島独自の文化を誇りにしています。
ある日、オーカディアンの方から面白いお話を聞くことができました。それは、オークニー諸島の結婚式に使われる伝統の品「Cog」（コッグ）。
結婚式にはどうやらかかせないコッグを今日は簡単ですが紹介したいと思います。

コッグは日本でも見られる桶のような、木製のうつわです（写真参照）。その特徴としては、手にする人が飲みやすいよう、取っ手のようなでっぱりがあります。そして結婚式に参列する人々は、このコッグからお酒をまわし飲むのが伝統となっています。

肝心の振舞われるお酒ですが、決まったレシピはなく、味はそれを作る個人や各家庭次第。ただ基本として使われるのは、温かいアルコール（例えばウイスキー、ラム、ブランディー、ジンなどのスピリットと呼ばれる蒸留酒や、ポートワイン、エール、黒ビールなど）、砂糖、そして色々なスパイスの３つ。これらを大きな鍋で沸騰させないように気をつけながら混ぜていくのです。

昔は結婚式で使われるコッグにも様々な種類や形式があったようですが、現在一番よく見受けられるものとして Bride’s Cogを教えていただきました。

最後にこのコッグ、一般的にはなかなか拝見できるものではないようですが、少なくともお土産ショップなどではチャーム（飾り）として売られているみたいです。オークニー諸島限定、ブライド・コッグ！手にしてみたいものですね。


写真は下記ウェブサイトで紹介されていました。
http://www.orkneyjar.com/tradition/weddings/cog.htm