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「わび・さび」を説明できますか?

「わび・さび」を説明できますか?
訪れる人が絶えない龍安寺の石の庭。
日本人独特の美意識とも言われる、「わび・さび」。先日の一時帰国時に外国人のゲストと一緒に歴史的建造物や日本庭園を訪れる機会があったのですが、外国人に「わび・さび」の説明をするのにとても苦労しました。
辞書を引いてみると、本来、「わび(侘び)」とは「粗末で簡素な様子」、「さび(寂び)」とは「時間の経過によって人がいなくなった静かな状態」とあります。「わび・さび」が禅宗の影響などもあって評価され、得に「茶の湯」の中で美意識として確立されたことはよく知られていますが、『徒然草』の頃には、ものが古びた様子に美を見出す意識がすでにあったようです。

「わび・さび」を説明できますか?
ひっそりと佇む茶室。
日本で「わび・さび」が感じられる代表的な場所と言えば、真っ先に挙げられるであろう、京都の銀閣寺や龍安寺(竜安寺)の石の庭。多くの日本人には、「わび・さび」と捉えられるような景色が、外国人には「気が滅入るような(=depressing)」景色という感覚で捉えられてしまうようです。
また、外国人にとっては茶室が「人工的な(artificial)感じ」さえするそうです。わび茶の茶室は、一般的に他の建物から隔離され、周りは木や竹で囲まれていますが、「茶を点てるために世界から遮断された状態」が不自然で、それが人工的に見えてしまうのかもしれません。

「わび・さび」は、イギリス人の古いものを大切にする気持ちやアンティーク品に対する美意識とはあまり共通する感覚はないようです。どちらかというと、「わび・さび」は「自然のはかなさに対する趣き」、アンティークなどは「歴史や物に対する愛着心」に重点を置いているのかもしれません。

海外にいると「わび・さび」について紹介する機会があるかもしれません。一度、禅宗や茶道の文化と一緒に「さび・さび」について調べておくときっと役に立ちますよ。
2013年04月05日(金) written by Miyo from (イギリス)
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