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女王のお城、バッキンガム宮殿の中へ

女王のお城、バッキンガム宮殿の中へ
見学入口はバッキンガム宮殿の横側。
チケットはサイトから直接、
または代理店などで購入。枚数限定で
当日券が発売されることもあるが、
発売開始の9時よりだいぶ前に行列ができる。
 お城で暮らすというのはどういう感じなのかな、と思っていました。女王とかお妃とか、それこそ子どものころ絵本で読んだお姫様の暮らしは実際どうなっているのかと。物語の中ではなく、現実として存在するというのはどういうことなのかと。
 エリザベス女王が暮らすバッキンガム宮殿。普段は外観しか見られないのですが、毎年夏季限定で宮殿の中が一般公開されます。今年は7月31日〜10月7日の間でした。見学できるのはステートルームと呼ばれる部分で、来客を招いたり社交の場として使われる場所です。

女王のお城、バッキンガム宮殿の中へ
きちんと手入れされている大きなガーデン。
見学コースのところどころに立っている職員の
人たちは、布のポンチョのようなものを着ている。
 オーディオガイドを耳に中へ。
 彫刻の施された手すりの階段をのぼり、絵画の飾られた廊下を歩きます。天井や絵画の額縁など、あらゆるところに王冠の模様があるのに気づきます。たっぷりと光の粒のついたシャンデリア。床から高い天井まで豪華絢爛で、思わず感嘆のため息がもれてしまいます。淡いピンクやブルーのクッションの置かれたソファはとても長く、一度座ったらその心地よさゆえに立ちあがることができなくなるのではないか、と想像させます。これらの椅子やソファがただの飾りではなく、実際に使うものだということにあらためて驚かされます。
 昼食会の部屋、過去に舞踏会の場として使われていたという広間。部屋の真ん中で目を閉じれば、華やかに着飾った紳士淑女が、王室おかかえのオーケストラの音に合わせて踊る様子が目に浮かぶようです。オーディオガイドのイヤホンから流れるバイオリンの音があまりにもしっくりくる空間です。
女王のお城、バッキンガム宮殿の中へ
ガーデンに隣接したカフェにて。
店内もこの紙コップ同様、
ロイヤルブルーを基調とした
作りとなっている。
 ひとつ印象に残ったのは、お客様が来る際、女王は私室から秘密のルートを通ってさりげなく広間に登場するとのこと。くるっと回る壁扉があり、そこに置かれた調度品などは倒れないよう固定されています。まるで忍者屋敷のようだと思うと同時に、やはりそういうトリックがあるのかと納得もしました。
 寝室やバスルームを含め、宮殿には650近くの部屋があるそう。バッキンガム宮殿は女王が暮らす場所であると同時に歴史的建物でもあり、かつ事務局としての働きもしています。シェフや郵便職員、ガーデナー、財務の管理担当者などたくさんの人がここで働いているのですね。

 見学コースの中には特別展も含まれており、今年はダイヤモンドジュビリーにちなんだものでした。戴冠式などで身につけるダイヤモンドなどが展示されています。照明を落とした暗い部屋に飾られた宝石たち。「ほら、これがあのときの」「やっぱり輝きが違うわね」とみんなひそひそ声で言い合っています。

女王のお城、バッキンガム宮殿の中へ
宮殿の中は写真撮影禁止。これは子供用の
ガイドブックだが、たくさんの写真と
わかりやすい説明で大人でも十分楽しめる。
 見学の最後はガーデンに出ます。広い庭はとても静かで、街中の喧騒はここまで届きません。隣にはオープンテラスのカフェがあり、王冠のチョコレートののったケーキやタルト、飲み物がなどで一息つくことができます。
 広く、常に手入れされていて、誰かがいる大きなお城。
 エリザベス女王の胸のうちは誰にもわからないけれど、ときに孤独で、ときに自由を求め、それらと戦いながら60年もの間、女王としてのつとめを果たしてきたのかもしれない、とふと思いました。
2012年10月26日(金) written by maho from (イギリス)
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