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Who do you think you are ?

Who do you think you are ?
欧米では、家系図のことを、
ファミリーツリーと言います
ちょっと挑戦的なこのタイトル、BBCでやっているとても興味深いドキュメンタリー番組なのです。系図学、というとなにやら数学的な響きがありますが、英語ではGenealogyと言って先祖を辿って行くリサーチ的な学問です。日本で言うところの家系図を研究する学問にあたります。日本人の場合は個人で登録するのではなく、戸籍というシステムが昔から使われており、各個人は「イエ」に所属する形で国に登録しているので、先祖を調べるのは、比較的簡単です。しかも、日本は島国なので基本的に一般的な日本人は100%純日本人なことが多いので、自分の祖先がどこから来たか、というのは、どっちにしろ、日本国内のどこか、という場合が多いです。交通機関が発達する前は、大抵同じ村の中で何代にも渡って暮らし続けているので、おばあちゃん、ひいおばあちゃんくらいまで辿って行けば大体自分の祖先が分かります。しかし、移民文化が昔からあるヨーロッパやアメリカは自分の祖先を辿る、ということは壮大なプロジェクトになります。なぜなら、一人の中に何種類もの文化、国籍、ときには人種が混ざっている場合が多いからです。
この番組では、有名なハリウッドスターの先祖を辿る、という趣旨の番組で、本人が登場してきて、先祖を辿りながら、旅に出たり、リサーチをしたり、とても面白い番組です。アメリカ人と一口に言っても、○○アメリカンと説明する場面によく出会うので、それぞれ自分のヘリテージを大切にしているようなのですが、日本人から見たらアメリカ人、というくくりでしか見ないので、この番組を見ると、おもしろいなー、と思います。特に興味深かったエピソードは、個性派俳優、スティーブブシェーミの回でした。スティーブブシェーミはニューヨーカーで、両親も未だにニューヨークに住んでいます。彼は自分のお母さんサイドの先祖のことを全然知らなかったので、興味を持ちました。調べていくうちに、彼のおばあちゃんは若くして自殺してしまっていたようでした。そして、さらにさかのぼっておばあちゃんから2代昔のおじいさんも、実は若いころ自殺未遂をしていたことが、当時の新聞記事から発見しました。

欧米では、昔からの出生証明書(日本のように戸籍ではなく、個人個人、生まれた時の証明を地域で管理しています)をオンラインなどでコピーを見ることができたり、ヨーロッパの寒村などでは、村の教会に何百年も前の出生証明が保管されていたりします。スティーブブシェーミのケースも、この昔のおじいさんの記録が地域の公文書館みたいなところに、残っていて、出生証明や、職業、家族構成など全部記録されていました。Genealogistの人たちは、こういった出生証明や、昔の新聞記事のアーカイブ、また戦争の出征記録(アメリカでは南北戦争の出征記録も沢山残っています)、病院の死亡診断書、古地図、などの多種類の資料をリサーチして、先祖を辿って行きます。

わたしの知り合いの南アフリカ人の子は、おじいさんがイギリス人なので、先祖ビザ(というカテゴリーも存在するのです)でイギリスにやってきました。よくよく聞くと、そのおじいちゃんの奥さん(おばあちゃん)はフランス人、お母さん側のおじいちゃんはオランダ系南ア人(祖先はノルウェー人も混ざっている)、そしておばあちゃんはフランス革命時代にフランスから亡命してきたユグノー派の末裔、と言っていたので、一人の中にヨーロッパの歴史がつまっているような感覚なのですが、本人はいたって普通に自分は南ア人、と思っているらしいです。また、彼の大親友の子は同じ南ア人といいつつも、アイリッシュ系とユダヤ系のミックスだと言っていましたが、やはりその子も自分は南ア人、とそれしか思っていないようです。100%日本人の私からすると、西洋の人は色々混ざっているのがとてもおもしろいので、会う人ごとにSo... what are you ?と聞いてしまいます。このBBCドキュメンタリーはそんなわたしの好奇心をくすぐる番組です。
2012年03月06日(火) written by Ayako from (イギリス)
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