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白鳥は誰のもの? 真相はいかに

白鳥は誰のもの? 真相はいかに
こちらが女王に所有権のある
Mute Swan(コブハクチョウ)
イギリスに来て度々耳にすること、それは「白鳥はクイーンもの」。
愛鳥家が多く、公園だけではなく、ところによっては大学構内の人工池でも観測がされるイギリス。よく見かけるあの白鳥が、実は女王のものだと言うのです。

真相を知るべく、ついに調べてみました。



白鳥は誰のもの? 真相はいかに
エディンバラ、
アーサーズシート(丘)
付近の湖に集まる白鳥たち
まずわかったのは、実際、女王が白鳥を所有するにいたる「儀式」があるということ。この儀式はSwan Upping(スワン・アッピング)と呼ばれ、テムズ川上流にて毎年7月の第3週目に行われています。始まりは12世紀。まだ白鳥が食用として珍重されていた頃にさかのぼります。白鳥は特に祝宴の席などで振舞われたため、女王(または王)の所有物(特にmute swan:コブハクチョウを指す)でした。後、15世紀にVintners’ and Dyers’ companies (ワイン商人・染物屋のギルド)にも白鳥の所有権が与えられ、白鳥が食用ではない今日もこの権利がまだ、儀式と一緒に現在に残っているらしいのです。
テムズ川でひなを含む白鳥の数を数え、所有権が分配されるのですが、これを執行しているのは、各ギルドの責任者と、王室で白鳥管理を担当する責任者。
彼らは受け継がれてきた緋色の服に身を包み、各旗を小船につけ白鳥を捕まえます。捕まえた白鳥や雛の体の大きさや健康状態などを調べ、Vintners’ Company が捕らえたものには両方に足輪が、Dyers’ Companyが捕らえたものには1つ足輪がつけられます。つまり、残りの足輪のないテムズ川の白鳥はすべて女王のもの。

白鳥は誰のもの? 真相はいかに
私も誰かに属しています。
かつては足輪がなければ、公共の場の白鳥はすべて女王の所有物でしたが、今では原則として権利はあっても、女王はその所有権をテムズ川の特定範囲とその支流などでしか行使していないのが現状のようです。
最後に、実は白鳥だけでなく、イギリス領域内のクジラ・イルカ・チョウザメも女王の所有物だそう。意味合いこそ変われど、中世からの伝統は今でも女王と共に健在のようですね。

より詳しいSwan Uppingの情報:
http://www.thamesweb.co.uk/windsor/windsor1999/upping.html
2009年02月17日(火) written by Muchiko from (イギリス)
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