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シリア難民問題について

 日本でも毎日のように混迷を極めるシリア情勢については報道されているかと思いますが、安全を求めて国外へ逃れる「難民」について書いてみようと思います。ヨーロッパへ向かう難民の多くはドイツを目指していると言います。

 欧州の中でもドイツが難民受け入れに最も積極的で80万人もの受け入れる意向である一方、当然ながらすべての人々それに賛同しているわけではなく、その政策に反対するデモや難民を排斥する過激な運動が各地で発生しています。少子化が深刻化するドイツ、難民および移民を受け入れることで不足する労働力を補うことが可能になり、それにより将来的にはドイツ経済にとってプラスに働くという試算があるといいます。しかしイスラム教を大量に受け入れることによる治安面の不安や難民問題に多額の税金を使うことに対しての不安も膨らんでいるのが事実です。

 そのような報道を毎日テレビで観ているけれど、ここドイツ南西部の小さな町ではいつもと変わらない日々が流れていました。しかしつい先日、私が通うドイツ語クラスにシリアから1か月前にドイツにやってきたという15歳の少年がやってきました。彼が出身地と滞在期間を聞いたとたん、つい前日に難民問題についてどう思うかという議論をしたばかりだったのもあるのか、クラスに一瞬緊張が走った気がします。クラスにはハンガリー人が数人いるのですが、彼らは難民受け入れに強く反対の姿勢をとるハンガリーの政府と同様の意見を持ち、難民の一件については不満、不安、憤慨の声をあげていたのでした。

 クラス唯一のアジア人である私に関していえば、日々難民に関する話題を耳にするも、日本ではなじみのなかった難民問題を、どこか実感が持てずにその議論を聞いていました。ところが、私の隣に座るこの物静かな少年は、ふるさとでどのような光景を目にしたのだろう、ここに来るまでどのような道をたどったのだろう、と考えずにはいられませんでした。それ以来毎日難民問題について考えています。


2015年11月17日(火) written by モチヅキカズミ from (ドイツ)
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