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カナダ/アメリカ間で経済戦争が勃発?  カナダのプライドに火を点けた隣人

カナダ/アメリカ間で経済戦争が勃発?  カナダのプライドに火を点けた隣人
SNSで拡がる
アメリカ製品ボイコットを
促すサイン

 2月も半ばになり、一週間ほどマイナス気温が続いて雪がほんのり積もったものの、再び気温が上がって雨日が続いているバンクーバー地方。大寒波となった中央カナダ〜東部カナダとは異なり、例年通り穏やかな冬の気候が続いています。
現在、中央カナダから親戚が来訪しているのですが、バンクーバー地方のあまりの雪の無さに驚いていました。


 さて、今現在、カナダはアメリカのトランプ大統領が就任直後に「カナダからの輸入品に対し25%の課税を課す」と発表した件で大きく揺れています。

 アメリカとカナダは地続きという事もあり、これまでは「良き隣人・友好国」として共に歩んできました。

しかしこの度発表された経済戦争とも取れる『トランプ関税』によってこれまでの信頼関係は破綻。カナダのトルドー首相は直ちにアメリカに対して25%の報復関税を課す声明を出しました。それと同時にアメリカ国民に対しても「(トランプ関税は)米国民の食品代、(車の)ガソリン代等を上昇させ、生活を困難なものとするだろう」と警告。
カナダ国民にはアメリカ製品のボイコットと、休暇はカナダ国内で過ごす事を促しました。

トルドー首相が対米報復関税は2月4日から開始する予定であると発表し、その対象となるのは主に米国産の酒類、衣料品、家電品と多岐に渡ります。
それに伴い、オンタリオ州のフォード首相は州内のアルコール類を取り扱い全店に対し4日までに全ての米国産アルコールを店内から撤去するよう指示。
それに他州も続いて私が住むブリティッシュ・コロンビア州からも米国産アルコールが一時期姿を消しました(現在はアメリカからの関税開始時期が延期された事により、商品は少しづつ戻っています)。

 アルコールだけに留まらず、SNSでは『Made in Canadaリスト』なるカナダ産製品リストが頻繁にUPされ「カナダで作られた製品を買おう!」という運動が高まっています。スーパーマーケットでも「これはカナダ企業の製品・食品です」という張り紙が所々に貼られ、アメリカ製品をボイコットし、カナダ製品を購入することを促しています。

 普段はのんびりしているカナダ人が何故こんなにもアメリカ製品ボイコット運動に積極的になっているのでしょうか?
勿論、隣人に裏切られた気持ちも大きいし、関税に対する怒りもあります。でもそれ以上にカナダ人のプライドに火を点けたのはトランプ大統領による「多くのカナダ人は、カナダがアメリカの51番目の州になるのを望んでいる」という何の根拠もない戯言とも取れる発言でした。
これに対し最初は「また馬鹿な事を言っている」と笑って流していたカナダ人も、トランプ大統領が同じような発言を何度も繰り返す事に危機感と怒りを感じるようになった事が今回の白熱するアメリカ製品ボイコットに繋がりました。

「自分たちはアメリカ人とは違う」が一種のアイデンティティーとなっているカナダ人達ですから、今回の反応は当然なんですね。カナダからの大きな反発によってカナダへの関税発動は3月4日まで延期されましたがこれからどうなるのやら...です。今後の動向に注目したいと思います。 
 


2025年02月18日(火) written by Saori from (カナダ)
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