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カナダ全土で過去最大規模の森林火災が発生中 

カナダ全土で過去最大規模の森林火災が発生中
今現在発生している山火事の分布図
(C)ciffc.ca

 6月も半ばに入ったカナダ西海岸バンクーバー地方。先週は30度近くまで気温が上がる日々が続きましたが、週末にはこの時期には珍しい雨模様の天気となりました。西海岸地方は乾燥しきった大地への恵みの雨となりましたが、山火事が発生している地域へその恵みは届かなかったようです。現在、カナダ全域で史上最高レベルの山火事が起きており、これまでにない土地面積が消失するといわれています。今回はその件についてお話ししたいと思います。

 現在、山火事の多くはカナダ東部のケベック州で発生しており、そこから発生した煙は隣国アメリカのペンシルバニア州、ワシントンD.C、ニューヨーク州の空を覆い、視界はオレンジ色となり、それら地域の大気質指数(AQI)は先週木曜、朝の時点で世界で最悪レベルに達しました。大気質レベルの低下により、各種屋外イベントの中止や学校閉鎖などの決定が下されています。今回の山火事の灰とチリははるか遠方のスイスまで到達している事が確認されています。

 山火事はカナダの各所で発生しているのですが、まず最初にアルバータ州で発生した山火事により5月4日に地域非常事態宣言が出されました。避難勧告が出た同州フォート・マクマレーでは10万人が避難を余儀なくされ、孤立した1万4千人の住人もヘリコプター等で近郊の都市へ移送するなどの措置が取られました。今現在も同じような被害がカナダ各地で広がっています。

 今年に入って起こった2000件以上の山火事(現在は450件ほど)の発端は落雷等を除けば殆どが人の手によるもので、火の不始末によるもの(または故意によるもの)が多いと言われています。更にカナダの気候は確実に変わってきており、春の時期の気温は例年よりも10℃以上を上回る日が増えてしまいました。特に平原地帯が多いアルバータ州、サスカチュワン州は2020年から毎年干ばつに見舞われており、今の時期の大地は渇き、少しの火元で一気に火の手が広がる条件が揃っています。カナダ政府は消防士に加え、軍を投入するなどしてカナダ東部森林火災の鎮火にあたっていますが、今のところ成果は一進一退といったところです。政府は7月を目途に鎮火させる予想を立てていますが、どうなるでしょうか…。

 今年のブリティッシュ・コロンビア州はそこまで煙の影響は受けていませんが、夏はこれからが本番。いつ大規模な山火事が起こってもおかしくない状況です。今現在、森林が乾燥しているためキャンプ場や自宅でのキャンプファイヤーが禁止されていますが、これが山火事の発生を抑える効果につながると良いのですが…。


2023年06月13日(火) written by Saori from (カナダ)
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