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B.C. Wildfire Fighters(BC州森林火災消防団)

B.C. Wildfire Fighters(BC州森林火災消防団)
鎮火活動にあたるB.C.Wildfire Fighter
(Darryl Dyck/THE CANADIAN PRESS)

 5月も半ばになり、先週のカナダ西海岸地方は穏やかな夏日和になりました。気温も30度近くになったものの、もともと湿気が少ない地域なのでカラリと爽やか。木陰に入れば上着が必要な気もする、とても過ごしやすい一週間でした。
そんな感じで、そろそろ本格的な夏に突入するカナダ西海岸地方ですが、この時期になると頻繁に目に飛び込んでくるのが『森林火災』に関するニュース。今朝も早速、ブリティッシュ・コロンビア州(以下BC州)内陸部で森林火災が起きたニュースをラジオで流していました。私は長年「通常勤務でも大変なのに、毎年こんなに森林火災も起きて、消防士の手は足りているのか?」と疑問に思っていたのですが、実は居たんですね『森林火災専門の消防士たち』が。
今回はその『B.C.Wildfire Fighters(BC州森林火災消防団)』についてご紹介します。

 私が住むカナダのBC州は、日本全土がスッポリと収まってしまう程の面積が広大で、その殆どを森林が占めています。日本と違って湿度も低く、夏になれば雨も殆ど降らずで、森林火災が起きやすい条件を満たしてしまっている事もあり、毎年夏になると尋常でない数・範囲で森林火災が発生します。

 そこに鎮火のために赴くのが消防士となる訳ですが、地域の消防活動もあるため、全消防士を森林火災に出動させる訳にはいきません。そこで導入されたのが『B.C. Wildfire Fighters』制度です。これは森林火災シーズン期間(夏の期間3ヶ月ほど)限定の消防団で、一般公募で選出されます。毎年11月中頃から一般からの募集が始まり、1月中頃で応募締切りとなります。毎年一般から1000〜1500人の応募があるのですが、応募条件は以下の通り。


・カナダ市民、移民、または期間中に働ける就業ビザがある事。
・BC州認定の応急処置証明書を持っている、または救急救命士である事。
・運転免許証(クラス7、5)を持っている事。


これがあれば優先的に採用される、という条件が下記のもの。


・以前採用され、森林火災鎮火活動に参加した実績がある。
・「Vancouver Island大学森林資源技術卒業証書」または「British Columbia大学の森林資源管理3年目の学位」がある。
・「Thompson Rivers大学の天然資源科学の学士号」がある、または「Northern British Columbia大学天然資源管理プログラム2年目の学位」がある。
・大学レベルのフィットネス、またはスポーツで高評価を受けた実績がある。

 なかなかの狭き門ですが、毎年1500人近い応募者の中から、これらの条件を満たした人を選出し、最終的には200人ほどに絞られます。
この200名は毎年、春の終わりに実施される8日間の「NRBC(New Recruit Boot Camp)」に参加し、早朝から晩まで知力・体力共にみっちりしごかれ、この8日間の試練をクリア出来た人のみが最終合格者となり『B.C.Wildfire Fighters』の一員になる事が出来ます。
この中には女性も沢山含まれているとの事で、凄いの一言。この訓練の間に消防士として必要な基礎知識に加え、森林内でのサバイバル方法や重機の取扱い、そして森林火災鎮火作業には欠かせないヘリコプターの安全性等について学ぶそうです。知ってはいましたが、消防士になるって、本当に凄いプロセスとスキル、そして体力が必要なんですね・・・。

もうすぐ本格的な夏がやって来ますが、今年は彼らの出動頻度が少しでも少なく済む事を願うばかりです。


2019年05月14日(火) written by Saori from (カナダ)
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