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カナダ太平洋岸の歴史を学ぶ『バンクーバー海洋博物館』

カナダ太平洋岸の歴史を学ぶ『バンクーバー海洋博物館』
『HMS Orion』の模型。細かくて、
かなり大きな船舶模型です。
 ここ数日間、バンクーバーは雨季らしい雨の日が続いています。ただ「数週間雨続き」となる例年と違い、今年の冬は数日置きに晴天の日があるので、気分が鬱々とする事が殆どありません。毎年こうだといいんですけどね。
 さて、先週の話なのですが、バンクーバー市内にあるものの、今まで一度も足を運んだ事がなかった博物館『Vancouver Maritime Museum(バンクーバー海洋博物館)』に行ってきました。今回はこの『バンクーバー海洋博物館』をご紹介したいと思います。

カナダ太平洋岸の歴史を学ぶ『バンクーバー海洋博物館』
日本人観光客の誰もが立ち止まる
『Empress of Japan』の模型。
 この海洋博物館がオープンしたのは今から54年前の1959年。海洋博物館というだけあって、イングリッシュ湾を目の前に望むバニエ・パークとハデン・パークのちょうど中間地点にあり、ここではカナダ太平洋岸の海事の歴史を学ぶ事ができます。エントランスから館内に入るとまず、フランス革命やナポレオン戦争等で活躍したイギリス海軍戦艦『HMS Orion(1787-1814)』の模型がお出迎えしてくれます。この模型、かなり大きく、そして細部に渡って精巧に作られています。この博物館では、この『HMS Orion』の模型を筆頭に、本当に沢山の素晴らしい船舶模型を観覧する事ができます。そしてこれらの模型の多くは博物館内にあるワーク・ショップにて、専属の船舶模型アーティストによって作られているそうです。
カナダ太平洋岸の歴史を学ぶ『バンクーバー海洋博物館』
『St. Roch』の甲板。ガイドのイヌイット一家
はここに張られたテントで寝泊りしていたそう。
 そんな素晴らしい船舶模型の中でも日本人である私の目に留まったのが『Empress of Japan(1930-1966)』と名付けられた大型客船。名前を見た時は「日本の船なのかな?」と思ったのですが、カナダ太平洋鉄道がオーダー・所有していたカナダの遠洋客船で、カナダ西海岸と極東を結んでいたそうです。ちなみに、この船の就航期間中に第二次世界大戦が勃発し、1942年に船名が『Empress of Scotland』に、更に1957年には『Hanseatic』へと名称変更されるという、ちょっといわく付の船なのでした。
カナダ太平洋岸の歴史を学ぶ『バンクーバー海洋博物館』
船底にある下級船員部屋。
二段ベッドと洗濯物が所狭しと並んでます。
 そして当博物館の最大の目玉は、なんと言ってもRCMP(王立カナダ騎馬警察)による「北極航路開拓(1940〜1942)」の際に使用したスクーナー船『St. Roch(1928-1954)』の実物展示。セント・ロック号はもともとカナダ北極圏のパトロールシップとして1928年にキャリアをスタート。その処女航海から約10年後の1940年に北極航路開拓船となり、志願した8名のRCMP警官、そして途中でガイド役として乗船したイヌイット一家8名を乗せ、2年に渡って極寒の北極圏を航海、そして遂に北極航路開拓を成し遂げました。その時の様子が克明に再現され、一歩船内に入るとその時代にタイムスリップした気分になります。私が見た時には船内には既にキッチンや暖房設備が備わっていましたが、これは航路開拓後、帰路に着く際に新たに設置したもので、航路開拓中にはキッチン・暖房設備はおろか、トイレすらなかったそうです。こんな状態で2年も北極圏を航海していたなんて・・・。鉄の意志と使命感がないと、到底無理ですね。
 バンクーバー海洋博物館、とても見所の多い博物館で、思っていた以上に楽しめました。今回は人がかなり多く、ゆっくり時間を掛けて観れなかったことだけが心残り。またいつか訪れて、今度はゆっくり観たいですね。

 
 
●Vancouver Maritime Museum●
http://www.vancouvermaritimemuseum.com/
2013年01月29日(火) written by Saori from (カナダ)
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