2025年秋の気になる展覧会 　イタリア　芸術の都市 | イタリア

フラ・アンジェリコの大規模展覧会

朝晩は肌寒くなり、すっかり秋になった北イタリア。芸術の秋にピッタリの気になる展覧会を４つ、ご紹介します。
まずは、フィレンツェのストロッツィ宮殿とサン・マルコ美術館が、ルネサンス美術の父ともいえるベアート・アンジェリコ（フラ・アンジェリコ）に捧げる展覧会を開催！
この大型展覧会では、フラ・アンジェリコが与えた影響や同時代のマザッチョ、フィリッポ・リッピなどの画家との関係、さらにはロレンツォ・ギベルティ、ミケロッツォ、ルカ・デッラ・ロッビアなど彫刻家たちとの関係を探るのがテーマです。140点以上の作品を集め、70年ぶりのフラ・アンジェリコの大規模な展示は、ルネサンスの重要性を再確認できる体験となるでしょう。これは見逃せません。

　

期間: 9月25日から2026年1月26日
場所: ストロッツィ宮殿
公式サイト: http://www.palazzostrozzi.org

ベル・エポックの旅とロートレック

　さて、もう一つ気になる展覧会もフィレンツェです。デッリ・イノチェンティ美術館でトゥルーズ・ロートレックの『ベルエポック　パリへの旅』という展覧会が開催中。絵画やイラストのみならず、当時の家具や工芸品、そして同時代の芸術家たちの作品など、その数170点以上が展示されています。
世紀末のモンマルトルの雰囲気やバレリーナたちの夜のパリの魅力に浸る体験を、ぜひお試しください。

期間: 2025年9月27日から2026年2月22日
場所: Degli Innocenti美術館
公式サイト: http://www.museodeglinnocenti.it

エッシャー展の視覚的錯覚を楽しむ

　ミラノのMUDEC美術館では「M.C.エッシャー」展では、画家エッシャーの芸術的な軌跡を新たな視点から探る展覧会が開催中です。エッシャーの不可能で不思議な建築や視覚的錯覚は有名ですが、今回の展示は特にイスラム美術との関係に焦点を当てているのだとか。これは新しい取り組みだと思います。
展示は、エッシャーの作品90点と40点以上のイスラム美術品が含まれ、彼のスタイルの進化を示す過程を鑑賞でき、また、エッシャーと数学的な要素の関連も垣間見ることができる展覧会なのだそう。その他にも様々なマルチメディア・インスタレーションも用意されています。


期間: 2025年9月25日から2026年2月8日
場所: MUDEC美術館
公式サイト: http://www.mudec.it/

サルバドール・ダリの 展覧会ポスター

　最後は、パルマのタラスコーニ宮殿で開催中のサルバドール・ダリの『ダリ：アートと神話』展です。約200点の作品が展示され、ダリの作成したグラフィック作品、陶器、デザイン、オブジェクトに焦点が当てられています。
1960年から1980年の間のダリのキャリアを探求、なかでも特筆すべきは、ダリが挿絵を描いたダンテの『神曲』（1959-1963年）と、番号入りの水彩木版画100部のカラー版です。
この作品は、もともとはダンテ生誕700周年を記念してイタリア政府（1950年）から委託されたもので、約10年の歳月をかけて制作されたもの。これは一見の価値ありです！


期間: 2025年9月27日から2026年2月1日
場所: タラスコーニ宮殿
公式サイト: https://www.palazzotarasconi.it/mostra/dali-tra-arte-e-mito/