PageTopワーホリネット | ワーキングホリデーとは
202511117123

ミラノで人気の"ヴェネツィア風"トラメッツィーノ イタリア版サンドイッチの歴史

ミラノで人気の
ヴェネツィア風トラメッツィーノ

 イタリアで手軽に食べられるストリートフードと言えば「パニーノ」が有名ですが、トラメッツィーノ(イタリアのサンドイッチ)を選ぶ人も多いです。特に、食前のアペリティーヴォが盛んなミラノでは、一杯のおともにトラメッツィーノが最適。
私も最近知ったのですが、ミラノでは特に「ヴェネツィア風」トラメッツィーノが定着していて、均一的なローマ風や、一般的なトリノ風はあまり人気がないのだとか……しかし、何が違うのでしょうか?

そこで、トラメッツィーノの歴史を少し調べてみました。

イタリアのトラメッツィーノと言えば、ヴェネツィアとトリノが生んだ国民的スナックという位置付けのようで、独自の進化を遂げた国民的な軽食なのだそう。
耳を落としたパンに、具材がパンからはみ出るほどたっぷりと詰まっているのが特徴で、コーヒー・ブレイクや食前酒のアペリティーヴォのつまみに欠かせない存在となっています。


ミラノで人気の
このボリュームと形がヴェネツィア風

 トラメッツィーノの原型は、18世紀のイギリスで誕生しました。第4代サンドイッチ伯爵ジョン・モンタギューが、賭け事(カードゲームなど)を中断することなく、食事を簡単に済ませるために考案した「サンドイッチ」がそのルーツです。このアイデアは貴族階級を通じてヨーロッパ全体に広まりました。
イタリアにサンドイッチが初めて登場したのは、1925年のこと。トリノのカフェ・ムラッサーノで初めて提供されました。アメリカから帰国したオーナー夫妻が、イギリス式の「ティー・サンドイッチ」をヒントに、小さな三角形のサンドイッチを提供し始めたのが始まりとされています。


ミラノで人気の
ミラノの有名なヴェネツィア風
トラメッツィーノ屋はここ!「L'Altro」

 当時、外国語の使用を排する風潮の中で、英語の「サンドイッチ」を嫌って、食事と食事の「間に挟む(イタリア語でイントラメッツォ)」に食べる軽食を意味する「トラメッツィーノ」と命名しました。この名前は、その誕生地がトリノであるにもかかわらず、イタリア全土に定着していったのです。
トラメッツィーノはイタリア各地に広まりましたが、特にヴェネツィアでその独自性を確立しました。ヴェネツィアの湿度の高い気候が、パンをしっとりと保つのに適していたこともあり、トラメッツィーノはヴェネツィア文化に欠かせない「バーカロ(居酒屋)」のメニューとして発展しました。


ミラノで人気の
様々な具材のトラメッツィーノ

 「ヴェネツィア風」トラメッツィーノの最大の特徴は、その形とボリュームです。形状は、必ず三角形にカット。具材は、ツナと玉ねぎ、ハムとキノコ、サーモンとルッコラなど、新鮮で上質な具材が、パンからはみ出しそうなほどたっぷり詰め込まれ、何よりマヨネーズが欠かせません。具材の厚みでパンの中心が丸く膨らんだ「ボム状」または「ぽっこりお腹」のような形になるのがトレードマークなのだそう。
一方の「トリノ風」トラメッツィーノという言葉は、ヴェネツィア風のような美食を意味する用語ではなく、一般的な三角または四角いサンドイッチその名称を指しています。トラメッツィーノは、トリノで誕生し、ヴェネツィアでその個性を確立した、イタリアの食文化を象徴する、歴史と創意工夫が詰まった食と言えるようです。

最近は、このトラメッツィーノに新たな流行の兆しが!
それは、「日本風」トラメッツィーノ、つまりカツサンドが登場したのです!いまや、寿司・刺し身、ラーメンだけではなく、日本のカツサンドまでミラノで食べられるようになりました。日本食ブームはまだまだ続きそうです。


2025年11月11日(火) written by Maliarda from (イタリア)
Comment(0)


イタリア関連の記事

この記事へのご感想は以下のフォームからどうぞ

お名前 [必須入力]
コメント [必須入力]
5000文字まで。(コメントにリンクは書き込めません。)
※記事の内容に沿わないコメントはお控えください。
※質問やお問い合わせはお控えください。