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死にゆく町チヴィタ・ディ・バーニョレージョ イタリア

死にゆく町チヴィタ・ディ・バーニョレージョ イタリア
死にゆく町チヴィタ・ディ・バーニョレージョ

 ローマから北へ120kmほど車で走るとチヴィタ・ディ・バーニョレージョという小さな町があります。今年の夏休みはチヴィタ、別名「死にゆく町」を訪問してみました。
ここは幻想的というか、眼の前に広がる景色がまるで信じられないような場所。トゥファの丘の頂上に位置し、細い歩道橋を通ってのみアクセスできる町…というよりは小さな村落と言ったほうがふさわしいかもしれません。

ここは4000年前から人が住み着いていたという研究があり、かなり古い歴史を持つ地域。中世には今の3倍ほどは土地があり、3000人ほど暮らしていたのではと言われています。
では、どうしてチヴィタ・ディ・バーニョレージョが「死にゆく町」と呼ばれているのでしょうか?


死にゆく町チヴィタ・ディ・バーニョレージョ イタリア
この門から集落に入ります。

 それは、17世紀末の地震で壊滅的な被害が出て、多くの住民は別の土地へ移ってしまいました。どんどん人口は減っていき、1920年には600人ほどに。
この村落を支える粘土質のトゥファ岩が何世紀にもわたって絶え間なく浸食して崩落を続けているのも大きな原因です。
そして崩壊しつつあるこの村落には、現在ではほぼ完全に無人(一応7人ほど住民はいるらしい)で、一本の道路でしかアクセスできません。かなり不便な陸の孤島のようになっているのです。



死にゆく町チヴィタ・ディ・バーニョレージョ イタリア
完全に観光化されていて
美味しいレストランがいっぱい。

 しかし、その一方で、世界中から年間約100万人の観光客がチヴィタ・ディ・バーニョレージょを訪れるのだとか。
今年も数多くの観光客で賑わっていました。実際に村落に入ってみると(2023年現在、入村料は5ユーロ)、村自体は中世から時が止まったままの状態なのですが、多くの観光客を迎えるために、おしゃれなカフェやレストラン、お土産屋さんが立ち並んでいました。なんと宿泊施設もあるようです。非常に観光化されていて、どこを見てもフォトジェニックな景色が広がっています。
村全体がまるで博物館のような、本当に素敵な村でした。



死にゆく町チヴィタ・ディ・バーニョレージョ イタリア
中世のまま時が止まった感じ。

 古い路地をブラブラと歩くのはまたとない体験だと思います。
狭い路地を歩くと隠れた小さな広場が見つかったり、古い洞窟を利用した素敵なレストランを発見したり…ふと見つけたレストランでランチを食べたのですが、素朴ながらオリーブオイルの風味が素晴らしいブルスケッタに出会って感動。あんなに美味しいトマトのブルスケッタを初めて食べました。
 いつまでこのチヴィタ・ディ・バーニョレージョを維持できるのかは不明らしいですが、一生に一度は唯一無二の絶景を見るために訪れてみる価値はあると思います。


2023年09月12日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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