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デ・キリコと20世紀の画家たち

デ・キリコと20世紀の画家たち
Villa Pontiの入り口。
 マッジョーレ湖畔にあるアローナという街の Villa Ponti(ポンティ邸)で20世紀イタリアを代表するデ・キリコをはじめとした画家たちの展覧会が開催されています。
1760年に建てられた、バロック様式の華やかなこの邸宅内で、1999年から企画展が 開かれるようになり、これまでにもラファエロから ゴヤ、ティエポロなど3世紀に渡る有名な画家たちの版画のみ 250点が展示されたり、ピカソのキュビズム展、 ウォーホール展、ルノワールと印象派などなど個人所有の 普段お目にかかれない作品を中心に開催され、常に話題になっていました。

デ・キリコと20世紀の画家たち
展覧会のパンフレット/デ・キリコ
今回2010年3月31日まで開催中の「De Chirico '900」と 題され、ジョルジョ・デ・キリコを中心に 20世紀に活躍したイタリア人画家41人の作品 130点(全て個人コレクションのみ)が一堂に集まるというので早速見に行ってきました。
デ・キリコの作品は1916年から72年までのものが 展示されており、イタリアの広場を舞台にした作品展開。
形而上絵画の知識のない私が見るとほとんど「謎」の 空間・・・という感じなのですが。
その部屋にいると、バランス感覚が なくなる、というか・・・

デ・キリコと20世紀の画家たち
モランディの卓上静物画
彼はギリシャで生まれた後、ミラノ、フィレンツェ、 ミュンヘンと転々とし、ローマで亡くなっています。
ドイツでニーチェやショーペンハウエルの思想の影響を 受けたらしい・・・そこからこういったMetafisica(メタフィジカ) へと発展したとも言われています。
ジョルジョ・モランディはカルロ・カッラや ウンベルト・ボッチョーニなどとも交流があったのですが、 特定の画派や運動に深入りする事なく 独自の道を歩んだ画家で生まれ故郷のボローニャでひたすら 卓上静物を描き続けた孤高の画家です。
彼の静かな色使いに小さな静物を ひっそり見つめているような気配、孤独感が感じられて なぜかとても気に入りました。
その他、目をひいたのはウンベルト・ボッチョーニ。
34歳という若さで亡くなった彼はFuturista(未来派)の 画家として有名です。
デ・キリコと20世紀の画家たち
ボッチョーニの「ミシン」
彼の作品は大胆な色使いと そこからスピード感みたいなものがありましたが、 今回見た「La Cucitrice」(ミシン)は今までとは 違うタッチで静かにミシンに向かう女性が描かれていて新鮮でした。
その他ルーチョ・フォンタナの小さな彫刻作品も 摩訶不思議な空間を醸し出していて面白い! 彼はミラノのブレラ美術学校の彫刻科を卒業し、 その後1958年からヴェネツィア・ビエンナーレなどで
あのキャンバスを切り裂いた作品を発表し有名になりましたね。

18世紀当時の豪華な貴族生活を垣間見れる邸宅に 形而上絵画から未来派、アルテ・ポーヴェラなどが 130点並ぶ空間もなかなか趣きがあって楽しいです。

【Villa Ponti - Arona】〜De Chirico 900〜
2010年3月31日まで毎日開催中。
月〜金:10:00〜12:00/ 14:30〜18:30
土〜日:10:00〜12:30/ 14:00〜19:00

2010年03月05日(金) written by Maliarda from (イタリア)
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