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皆で分け合うパネットーネ  イタリア伝統菓子
Divide it among everyone, the panettone is traditional Italian Christmas cake

皆で分け合うパネットーネ  イタリア伝統菓子
ラファエロ没後500年記念のパネットーネ。

 イタリアのクリスマスにかかせない伝統菓子パネットーネ。今年はラファエロ没後500年ということで、ラファエロの名画が箱や缶に印刷されたパネットーネなども売り出されて話題になっていました。
 
またパネットーネといえば、ミラノで伝統製法で作り続ける老舗ヴェルガーニ社の4代目社長が、このコロナ禍で激増している生活困難な家庭などに、自社パネットーネを無料提供というような話もクリスマス前後のニュースになります。

皆で分け合うパネットーネ  イタリア伝統菓子
分け合うパネットーネの山!

 ヴェルガーニ社は「こうしたパネットーネを皆で分け合うことで孤独ではなく、楽しいクリスマスだと感じてもらえれば」とコメント。こうしたニュースを聞くたびに、イタリアでパネットーネは単なるクリスマスの伝統菓子以上の特別な存在なんだと気付くのです。

こうした「分け合うパネットーネ」をイタリア語でパネットーネ・ソスペーゾと言います。このソスペーゾというのは、イタリアが長い歴史において最も困難な時期にあった第二次世界大戦中、ナポリで生まれた習慣です。ナポリではコーヒーを飲んで、レジで支払う際に、余裕のある人は自分のコーヒー代プラス「もう1杯分」の支払いをします。そのもう1杯のコーヒーは「保留=ソスペーゾ」にして、次にもしお金がなくてコーヒー1杯を飲めない、でもそれを求めてきた他の誰かのものとなる仕組みです。


皆で分け合うパネットーネ  イタリア伝統菓子
12月は至る所でパネットーネの
陳列が見られます。

 この仕組みを利用して、生活の困難を抱えた人たちのために、クリスマス時期にはパネットーネを買い、そしてもう1個分のパネットーネ代を払える人は払うというソスペーゾを始めました。
このアイディアに賛同して協力してくれるお菓子屋さん、パン屋さんが支援に乗り出し、今年は去年よりも更に多くの支援団体も増えました。そのお菓子屋さんに行けない遠方のお客さんたちは寄付金を出したりして、社会全体でこのパネットーネ・ソスペーゾを盛り上げています。

 パネットーネ・ソスペーゾ協会の創設者でありるグローリア・セレーサとステファノ・チッテリオは「今年は例年のクリスマス・年末年始とは違うものになる。残念ながら、このコロナ危機は、最も脆弱な人々に襲いかかります。しかし、こうしたソスペーゾの寛大な取り組みは、パンデミックを乗り越えるものになると確信しています。」とコメントしていました。必要な所へ必要なだけ届けられますように!


2020年12月29日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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