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カーニヴァル  お菓子とイタリア文化

カーニヴァル  お菓子とイタリア文化
カーニヴァルといえばキアッケレ!

 子供たち(もちろん大人も)が大好きなお祭り、カーニヴァルの時期がやってきました。その起源は非常に古く、古代ギリシャのディオニュソスの儀式、そして古代ローマの農神サトゥルナリアの農耕儀礼に遡ると言われています。日本では「謝肉祭」と邦訳されていますね。
カーニヴァルの語源は、断食や四旬節の断食の前に肉類を排除するラテン語「carnem levare」に由来するようです。そして毎年、ローマの典礼暦で復活祭をいつに設定するかによって、カーニヴァルの日付も変わりますが、有名なヴェネツィアのカーニヴァルの時期とミラノのカーニヴァル時期は異なる…という面白い現象も。なぜかというと、ミラノでは守護神の聖アンブロージョが採用した典礼儀式にちなんだアンブロージョの独自の暦によっているからです。なので、毎年だいたい他の街よりも1週間ほど遅れてお祝いされます。同じ国なのに日付が違うのって面白いですよね。

カーニヴァル  お菓子とイタリア文化
粉砂糖ではなくチョコレートかけの
キアッケレも美味しい。

 また地域によって名前は変わる、このカーニヴァル時期の代表的なお菓子、キアッケレがあります。ミラノではキアッケレと呼んでいますが、フィレンツェなどトスカーナ地方だとチェンチと呼んだり、ローマではフラッペ、トリノやジェノヴァではブジーエと言ったり…地方色が豊かなイタリアという感じがします。

 ただカーニヴァルの象徴であるお菓子という意味では、呼び方が地域ごとに変わっても、地域によってたくさんのバリエーションがあっても、伝承の仕方によってレシピが少しずつ変わっても、この時期の大切な伝統菓子という位置づけはイタリア中で共有しているんです。

カーニヴァル  お菓子とイタリア文化
揚げ菓子フリッテッレ。
中にクリームがたっぷり。

 キアッケレはイタリア語で「おしゃべり」という意味ですが、これはもともとサヴォイア家のマルゲリータ王妃が、宮廷料理人に自分と客人を喜ばせるお菓子を作るように頼んだのが始まりとも言われています。その宮廷料理人のラファエレ・エスポジトは、王妃の要望に応え、簡単で美味しく、また「客人たちとのおしゃべりの合間にちょっとつまむ」のに最適なキアッケレを考案。簡単で美味しいこのお菓子は瞬く間に各地に広がったのだとか。

 キアッケレは基本的には粉砂糖をまぶしていただきますが、チョコレートをかけたものも人気です。あとは蜂蜜をかけたりして食べる地域もあるみたいですね。個人的に好きなのは、フリッテッレという揚げ菓子で、揚げドーナツみたいな感じなんですが、中にクリームが入ってるものがすごく美味しいんです!これもカーニヴァル時期だけの特別なお菓子。シンプルだけど美味しい、というのがイタリアのカーニヴァルには欠かせないようです。


2022年03月01日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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