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アンブロジアーナ絵画館 〜 イタリア芸術

アンブロジアーナ絵画館 〜 イタリア芸術
アンブロジアーナ絵画館入口。

 ミラノの中心にある大聖堂ドゥオモから歩いて5分ほどの所にあるアンブロジアーナ絵画館。この絵画館は15〜16世紀のロンバルディア派、ヴェネツィア派の絵画を中心に展示されていて、併設の図書館にはレオナルド・ダ・ヴィンチによる「アトランティコ手稿」など多数の貴重な手稿本が保管されていることで有名ですが、15ユーロという、少々高額な入場料のためにあまり来館者が多くなく、もしミラノでゆっくり美術鑑賞をされたいのなら、大変オススメな美術館でもあります!

アンブロジアーナ絵画館 〜 イタリア芸術
内装も素晴らしい。

 アンブロジアーナ絵画館・図書館の創立は1607年。当時のミラノの大司教フェデリーコ・ボッロメオ枢機卿のコレクションをもとに設立された、ヨーロッパ内でも最古の図書館のひとつです。その後1609年に世界初の公共図書館として開館し、その後いろいろな所や人々の寄贈などによって、素晴らしい美術コレクションが展示される絵画館にもなりました。


アンブロジアーナ絵画館 〜 イタリア芸術
レオナルドの音楽家の肖像画。

 フェデリーコ・ボッロメオ枢機卿が収集したコレクションをこうして一般公開したのは市民への啓蒙のためでもあったそうです。また、美術を愛する枢機卿は、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に描かれたレオナルドの壁画「最後の晩餐」などの傑作がすでに劣化していることを憂いて、当時の画家たちに模写するように命じたと言われています。イタリア・ルネサンスの精神を後代に伝えるために大いに貢献した枢機卿として、今もミラノの歴史において大切な存在になっています。
展示されている有名な作品としては、レオナルド・ダ・ヴィンチの「音楽家の肖像」やラファエロの「アテネの学童」の下書き、ボッティチェッリの「天涯の聖母子」、カラヴァッジオの「果物籠」など。その他ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノの「マグダラのマリア」なども見逃せません。

中でもレオナルドの「音楽家の肖像」は、彼の残した油彩画がいかに希少かということもあり、目玉作品と言っても過言ではないでしょう。それにレオナルドの油彩画の中で唯一の男性肖像画という点でも非常に珍しい作品です。

またカラヴァッジョの静物画も非常に有名な作品のひとつ。イタリアはルネサンス以来、宗教画や人物像の伝統を頑なに守ってきた国。そんな中で、カラヴァッジョの「果物籠」は初めての独立した静物画として注目に値します。

アンブロジアーナ絵画館 〜 イタリア芸術
カラヴァッジョの果物籠。

 このアンブロジアーナ絵画館はこうした素晴らしい展示品のみならず、壁一面にモザイク画が施されていたり、彫刻が置いてあったり、素晴らしい中庭まであって、まさにルネサンスの雰囲気に浸りながら名画を鑑賞できる環境なのです。15ユーロの価値はあると思います!もしミラノでゆっくりと美術鑑賞されたい方は、是非足を運んでみてください。


2017年03月28日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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