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イタリア映画「BAARIA」 〜 ヴェネツィア映画祭

イタリア映画「BAARIA」 〜 ヴェネツィア映画祭
映画BAARIAのポスター。
第66回ヴェネツィア映画祭のコンペ作品で日本でも「ニュー・シネマ・パラダイス」でおなじみのジュゼッペ・トルナトーレ監督最新作「BAARIA」を観ました。
残念ながら賞は逃したのですが、トルナトーレ監督らしいシチリアの牧歌的風景と人々が織りなす家族の物語で、「ニュー・シネマ・パラダイス」よりも政治色の強い(それがまた彼の作品の特徴でもありますが)仕上がりになっています。

タイトルの「BAARIA」とはシチリアの方言で「BAGHERIA」という意味。監督の生まれ故郷を指しています。
そこで1930年代頃から繰り広げられる親子3代に渡る物語。
今でも残るイタリアの南北問題ですが、30年代当時シチリアはイタリアの中でもかなり貧しい地域でした。
そこでジュゼッペことトトと愛称で呼ばれる少年(主人公)は親元を離れ、羊飼いとして苦しい子供時代を過ごします。

やがて始まるファシスト政権、そして戦争。
そんな中でトトはだんだんと共産主義者へと育っていき、地元のマフィアや地主たちとの確執を強めていくのです。
そして当時の南イタリアで、子だくさんは「幸せの象徴」とばかりにトトも愛する女性との間にたくさんの子供をもうけます。

ところどころに流れるエンニオ・モリコーネの音楽とシチリアの貧しいけれど、どことなくほのぼのとした情景がマッチし、今現在、どんどん失われつつあるシチリアの過去の記憶を監督がノスタルジックに描いていく・・・
グローバリゼーションに反対し、地域色を深めていく、そんなトルナトーレ監督の最新作は、日本人にとっても何か懐かしいものを感じさせずにはいられません。
オススメの作品です。

2009年11月13日(金) written by Maliarda from (イタリア)
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