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地震の被災地アマトリーチェの画家展 〜 イタリア芸術

地震の被災地アマトリーチェの画家展 〜 イタリア芸術
コーラ・デッラマトリーチェ展のPR紙。

 夏のヴァカンス真っ只中の8月24日に発生したマグニチュード6.2の地震。イタリアの中部ペルージャ県が震源地となり、首都ローマをはじめ、ナポリ、ボローニャ辺りの町まで揺れを感じるほどの地震でした。特にローマ近辺のラツィオ州リエーテ県の、人口3,000人未満の村アマトリーチェにもっとも大きな被害を与えました。日本でも報道されたので、映像をご覧になった方も多いかと思います。まるで村そのものが「なくなってしまった」ような映像が流れ、イタリア中でも驚きと嘆きの声があちこちで聞こえました。


地震の被災地アマトリーチェの画家展 〜 イタリア芸術
ラファエロの影響を
受けたとも言われる。

 現在、復興に向けて動き出している最中です。一番の心配ごとは、この地域は秋から冬にかけて気温が急降下する地帯。そこで被災者のテント生活をなるべく短くすることと小学校が壊滅状態だったので、それを早く復興させることなどに重点が置かれ、少しずつですが復興へ向かっているところです。
イタリアの各地で支援も始まっており、このアマトリーチェ村で食されている伝統料理トマトソースのパスタ「アマトリチャーナ」を食べて義援金を寄付しようというレストランの動きがあります。先日もミラノのあるトラットリーアでランチを食べようと思ったところ、このアマトリチャーナのパスタがあるのを発見し、さっそく注文しました。そのランチ代のいくらかが被災地へ寄付されるという仕組みになっているようです。

地震の被災地アマトリーチェの画家展 〜 イタリア芸術
無名の画家だが
芸術的価値は高い。

 もう一つの支援の取り組みが報道されていましたので、ご紹介したいと思います。非常にイタリアらしい支援だと私は思いました。それは、現在まで一般の人にはほとんど知られていない15〜16世紀の画家であるコーラ・デッラマトリーチェの展覧会を開催する、というものです。画家の名前が「アマトリーチェのコーラ」という意味で、今回の被災地アマトリーチェの出身。ほとんど無名だけれどもその作品の芸術的価値は非常に高いということで注目を浴びています。
画家の本名は二コラ・フィロテージオといい、1480年頃にアマトリーチェで生まれました。画家のみならず、建築家としても活躍していたようです。典型的なルネサンス期の芸術家という感じですね。今回の展覧会の主催者は、アマトリーチェの出身の画家が一般の目に留まり、復活することで、地震で瓦礫に埋
もれた村も同じく再生する、という趣旨があるのだと語っています。

 気になる展覧会は12月7日から10日まで、下記の画家に縁のある4都市で開催されます。その時期イタリアにいらっしゃる方、お近くに寄られた際には是非美術館へ足を運んでいただき、被災地の再生について思いを馳せていただけたらと思います。

*ミラノ
バガッティ・ヴァルセッキ美術館

*マントヴァ
パラッツォ・テ宮殿

*アスコリ・ピチェーノ
アスコリ・ピチェーノ市立美術館

*ラクイラ
サン・ベルナルディーノ教会



2016年09月13日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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