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サンセポルクロとキリストの復活

サンセポルクロとキリストの復活
サンセポルクロの町並み。
初期ルネサンスの「最も個性的な画家」と言われているピエロ・デッラ・フランチェスカ。
彼の生誕地トスカーナ州のアレッツォ県サンセポルクロへ行ってきました。
ピエロ・デッラ・フランチェスカが「偉大なる初期ルネサンス画家」と認められたのはなんと20世紀になってからなのですが、それまでこのサンセポルクロ宮殿(現在は市立美術館)の壁に描かれた有名な「キリストの復活/1460年」やそこに収められている「ミゼリコルディア祭壇画/1445年」などは日の目を見ずに過ごしてきたのです。

サンセポルクロとキリストの復活
サンセポルクロの静かな午後
このミゼリコルディア祭壇画の聖母の身に着けたマントの下に信徒が描かれるというのは、全人類を象徴的に表わすため、男女、貧者、富者、聖職者、俗衆など、さまざまな人々が同じように聖母の庇護のもとにあることを示しているのだそうです。
数学にも造詣が深かった画家ピエロは、恐らく効果的な「数」や完璧なシンメトリーで構成する事によって、絵画の崇高さをより一層高めようとしたと考えられています。

サンセポルクロとキリストの復活
ミゼリコルディア祭壇画
「キリストの復活」は現在市立美術館になっている、もとはサンセポルクロ宮殿の壁に描かれています。
この透視画法を駆使した技法は、初期ルネサンスにおいて革新的な事でしたが、その後この作品はなぜか人気が衰え、なんと石膏で上から白く塗り重ねられてしまったのです!
19世紀に突如、壁の石膏が剥がれ、自力で復活したこの作品。
サンセポルクロとキリストの復活
キリストの復活
タイトルの「キリストの復活」と相まって、たちまち人気を集め、サンセポルクロの人達にとっては町の「シンボル・守り神」ともなったらしいです。
なんともカトリック国らしいエピソードですね。
2011年09月02日(金) written by Maliarda from (イタリア)
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