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201605246033

シビル・ユニオン可決!

シビル・ユニオン可決!
シビル・ユニオン可決へのチラシ
「イタリアよ、目覚めろ」と。

 カトリックの総本山ヴァチカン市国(ローマ法王)を構えるイタリアは、同性カップルへの法的権利を認めていない、シビル・ユニオンのない欧州の主要国では最後の国でした。明るく開放的なイメージがあるイタリア、そしてイタリア人ですが、同性婚やパートナーシップ権利などは長年タブー視され、実は伝統的な「結婚」を守る人たちが多いのです。

シビル・ユニオン可決!
ゲイ・カップルの「25年も一緒にいる。
我々は結婚したい」と書かれたプラカード。

 こうした中、イタリア各地で同性カップルに法的な権利を与えることを求める大規模なデモが行われていました。賛成派、反対派の衝突などもあり前途多難な雰囲気であったのも事実。しかし2016年2月25日、イタリア上院議会は同性婚に相当するパートナーシップ法案「シビル・ユニオン」を賛成多数で可決!この「シビル・ユニオン」とは、同性同士のカップルに対しても「法的に権利の承認されたパートナーシップ関係」という法律で、結婚と同様にパートナーの居住許可、パートナー姓への変更、遺産相続などの法的権利が認められるというものです。男女間の婚姻とは区別して,市民契約,合同生活,市民的結合という訳される場合もあります。

 その後5月11日、下院の「シビル・ユニオン」合法化法採決の結果は、賛成173、反対71の圧倒的多数で可決しました。イタリアのレンツィ首相は「歴史に残る日」とコメントしています。この新法では、同性カップルは同じ姓を名乗ることができ、パートナー死去の際には年金受給や遺産相続の権利が認められています。ただ残念なことは、この法案に盛り込まれていた同性カップルが異性との間でもうけた子どもを養子として認めるとの条項は、保守派の徹底的な抵抗により削除されてしまいました。この養子縁組を認めていないことに対し批判の声もすでに上がってきています。これは今後の課題になっていくことでしょう。

シビル・ユニオン可決!
ミラノ中心で行われた
シビル・ユニオン賛成派デモ行進。

 しかし、カトリック総本山でこの法律が認められたというのは、本当に歴史的快挙だと思います。G7において同性カップルへの法的権利のない国は、これで日本だけとなってしまいました。日本も今後イタリアに続いて大きな変化が訪れるかもしれません。

2016年05月24日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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