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オルヴィエート大聖堂  イタリアでも屈指のゴシック建築

オルヴィエート大聖堂  イタリアでも屈指のゴシック建築
ただただ美しい大聖堂のファザード。

 イタリアの三大ゴシック建築の一つであり、またゴシック芸術の最高傑作であるオルヴィエートの大聖堂。この立派なファザードの前に立つだけで圧倒される美しさです!
(時間帯によってこのファザードの色が微妙に変化するのを見るのも楽しいです。私のオススメは夕暮れ時。ファザードがピンク色に染まり、キラキラと輝く姿は本当に言葉を失う美しさでした)。
 この大聖堂は、シエナ出身のロレンツォ・マイターニによって1310年頃に建設が始まり、1532年に完成したと考えられています。14世紀半ばにオルカーニャによって作られた豪華な大理石の装飾で囲まれたバラ窓が印象的。


オルヴィエート大聖堂  イタリアでも屈指のゴシック建築
内部はツートンカラーが演出する遠近効果。

 オルカーニャは大聖堂の建設現場監督でもありました。側面には預言者の像が設置されています。バラ窓の上を飾るのは、16世紀末に制作された十二使徒の彫像です。
 内部は柱によって3つの身廊に分かれています。玄武岩とトラバーチンのツートンカラーの交互配置によって生み出される遠近効果は素晴らしく、開放感もあって広く感じます。床のピンク色は、オルヴィエートから近い町プロドで採れた赤い大理石によるものだそう。

オルヴィエート大聖堂  イタリアでも屈指のゴシック建築
イタリア最大と言われる
パイプ・オルガン。

 左奥の礼拝堂の入口には、1584年にイッポーリト・スカルツァとチェーザレ・ネッビアによって設計された、大きなパイプ・オルガンがあります。このパイプ・オルガンはイタリア最大の1つで、5,500本ものパイプからできています。今もミサの時に奏でられている現役のパイプ・オルガンです。

 そして、この大聖堂の一番の見どころは聖ブリッツィオ礼拝堂でしょう。1499年から1504年まで、この礼拝堂の装飾を担当していたルカ・シニョレッリによるフレスコ画の傑作、おそらくイタリア絵画史上でも最高傑作の1つに数えられる壁画です。その成り立ちにも紆余曲折があります。

オルヴィエート大聖堂  イタリアでも屈指のゴシック建築
ルカ・シニョレッリの最高傑作
フレスコ画。

 1447年、この礼拝堂に『最後の審判』をテーマとして、ベアート・アンジェリコにフレスコ画を描く依頼をし、アンジェリコは仕事を始めますが、雲の玉座に座るキリストを描いただけで、その後すぐにヴァチカンのシスティーナ礼拝堂で働くよう教皇に呼び出されて、突然ローマへ出発してしまいました。
1499年、アンジェリコの仕事の継続についてルカ・シニョレッリと合意に達しシニョレッリは礼拝堂全体の装飾を手掛けることに。礼拝堂に一歩入った瞬間、彼の画面の構成力や、なによりも色彩感覚の素晴らしさに魅了されます。


ルカ・シニョレッリの傑作フレスコ画『最後の審判』は、ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂を建設する際のインスピレーションの源となったと言われるほどで、本当に素晴らしいので、是非オルヴィエートを訪問された際には大聖堂内に入ってみてください。
大聖堂と付属博物館の入場セットで5ユーロ(2024年6月現在)でした。


2024年06月18日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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