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イタリアの父の日は聖ヨセフの祭日3月19日  家族の絆を深めるクリーム入りの揚げ菓子

イタリアの父の日は聖ヨセフの祭日3月19日  家族の絆を深めるクリーム入りの揚げ菓子
グイド・レーニ描く
『聖ヨセフと幼児キリスト』

 『聖ヨセフの日』は、毎年3月19日にイタリアで祝われる重要な祭日です。
この日は、キリスト教の聖人である聖ヨセフを称える日であり、特に父親や父性を象徴する意味を持ちます。
イエス・キリストの養父であり、家族を守る存在として崇拝される聖ヨセフの祭日は、イタリアでは「父の日」として広く認識され、子供たちは父親に感謝の言葉や特別な贈り物を贈る日でもあります。(母の日は日本と同じ日に祝いますが、父の日は違うのです)

また、何世紀にも渡って多くの画家がこの「聖ヨセフ」の絵を残しています。


イタリアの父の日は聖ヨセフの祭日3月19日  家族の絆を深めるクリーム入りの揚げ菓子
父の日のお菓子ゼッポレ

 私は特にグイド・レーニ(1575〜1642)が描く聖ヨセフの絵が素晴らしいと思っていて、ミラノ司教区博物館に展示されている『聖ヨセフと幼児キリスト』を時々観に行きますが、絵の中の父と子の間に流れる愛情と絆が表現されていて、聖ヨセフの優しい表情に癒やされます。
この絵はつい最近、修復されたばかりなので、色も鮮やかになり、さらに鑑賞しやすく展示されていますので、ミラノにお越しの際にはぜひご覧になってみてください。

聖ヨセフの日には特別なお菓子「ゼッポレ」と呼ばれるクリーム入りの揚げ菓子が人気で、この時期はお菓子屋さんのショーケースに必ず並んでいます。

イタリアの父の日は聖ヨセフの祭日3月19日  家族の絆を深めるクリーム入りの揚げ菓子
南イタリアではゼッポレの
バリエーションも豊か

 ゼッポレは円形またはリング状になっていて、小麦粉、卵、バター、砂糖、牛乳を主成分としたシンプルなお菓子。揚げることで外はカリッと、中はふんわりとした食感になり、クセになる美味しさなのです。
時々オーブンで焼いたパターンのゼッポレも見ることがありますが、揚げるのが主流のようです。
ゼッポレの中には、カスタードクリームかリコッタチーズ・クリームが詰められることが一般的で、粉砂糖やチェリー、ナッツなどでトッピングされます。
各地域ごとにさまざまなバリエーションが存在していますが、特に南イタリアではよく食されるお菓子の一つです。

ナポリではカスタードクリームがよく使われ、プーリア州では、シロップがかかったブラックチェリーで飾られたり、チョコレートクリームを追加したりとバリエーションがあります。それぞれの家庭で手作りされることも多く、その家庭ごとにこだわりのレシピがあるようです。


 ミラノではこの日に家族でテーブルを囲むことはあまりありませんが(週末なら一緒に食事する機会を設けるかもしれません)、南イタリアでは単なる聖ヨセフの日ではなく、ゼッポレなどを一緒に楽しみながら、家族やコミュニティの絆を深める大切な瞬間を提供してくれる日になっています。


2025年03月25日(火) written by Maliarda from (イタリア)
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