冬時間の始まりは、冬季うつの始まり？　予防とメンタルヘルス対策

暗くて寒い冬の間も、元気で過ごせるように
メンタルヘルスにも注意！

　アイルランド時間の10月26日（日）午前3時から、冬時間が始まりました。これからは日本との時差は9時間となります。
　今回時計の針を1時間戻すことになるので、午前3時から午前2時となり、1時間睡眠時間が多くなったのは嬉しいですが、今後ますます日が短くなり、太陽を見ることも少なくなると思うと気分は沈みます。

　実際冬時間が始まって、そして日々日照時間が短くなっていくにつれ、季節性感情障害(Seasonal affective disorder/SAD) に悩まされる人が増えるのだそう。日本では「冬季うつ」とも呼ばれますが、アイルランドの場合緯度が高いこともあり、12月の冬至頃になると、朝は8時半頃まで暗く、そしてやっと昇ったと思った太陽も、午後4時半には再び地平線の彼方へ沈んでしまいます。

　こうして冬の間、太陽をほぼ拝むことのない日が続くことで、体内時計が混乱、睡眠障害やそれに伴って気分が落ち込んだりします。というのも日照時間の減少により、人の精神面に影響を与える神経伝達物質「セロトニン」が減り、その結果、睡眠と覚醒のサイクルを調整するメラトニンのバランスが崩れやすくなるからなのだとか。

　そうなると、気分が落ち込んだり、今まで好きだった趣味などにも興味を失い、さらには疲労が続いたり思考・集中力欠如になったり、さらに悪化すると希死念慮が出ることもあります。

　専門家によれば、ホルモンの関係で特にティーンエージャーや25歳以下の若年層、そして女性が季節性感情障害になりやすく、またアイルランドの公的医療サービス機関HSE（Health Service Executive）の推計によれば、アイルランドでは15人に1人がこの症状に悩まされているのだそう。

　上記のような症状がある人は、医師の診察を受けるべきなのでしょうが、一時的なものだと深刻に考えなかったり、ハードルが高くて診察を受けることをためらうこともあるかもしれません。そのため冬季うつにならないように、あらかじめ予防対策を取るのが良策と思います。

　例えばできるだけ外へ散歩などに出かけ、太陽光をできるだけ浴びるようにする、規則正しい生活（毎日同じ時間に起床、就寝する等）をする、定期的に屋外で軽い運動をする…などがあります。

　さらに私の場合ですが、かかりつけの医者の助言により、冬の間だけビタミンＤのサプリメントを摂取して、ビタミンＤ不足にならないようにしています。というのもビタミンＤが不足すると鬱になりやすいからだとか。

　また可能であれば、南欧など暖かい国に旅行へ行くのも良いのだそうです。

　でも一番大切なのは、落ち込んだ気分の時に無理をして頑張り過ぎないこと。疲れたな、気分が乗らないなという時は自分に休養が必要な時だと思います。そんな時はご自分を厳しく律するのではなく、優しくしてあげてくださいね！