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アイリッシュを魅了する、世界一可愛い「黒鼻のヒツジ」 | アイルランド

アイリッシュを魅了する、世界一可愛い「黒鼻のヒツジ」 | アイルランド
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アイリッシュを魅了する、世界一可愛い「黒鼻のヒツジ」 　

アイリッシュを魅了する、世界一可愛い「黒鼻のヒツジ」
アイルランドで見かける
ヒツジがモチーフの
お土産はたくさんあります。

　アイルランド、といえばどこまでも続く緑の牧草地にヒツジたちが草を食む景色を想像する方も多いと思いますが、実際ヨーロッパでもヒツジの数が多い国の一つでもあります。
そのため、ヨーロッパの他の国へ旅をすれば現地の人々に「アイルランドから来たの？ヒツジがたくさんいる国ね！」と言われたり、アイルランド国内の土産屋さんをのぞけば、様々なヒツジが商品のモチーフとなっていたりします。

　そんなヒツジが身近なこの国の人たちが、近年心を掴まれているヒツジが存在します。それはスイス原産の「ヴァレー州の黒鼻ヒツジ（Valais Blacknose Sheep）」。

アイリッシュを魅了する、世界一可愛い「黒鼻のヒツジ」
アイルランドのヒツジたち。

　スイス西部に位置するヴァレー州（ヴァリス州）原産のヒツジで、“世界一可愛いヒツジ”という異名の通り、もこもこの巻き毛とツイストした角、顔と足の部分が黒く全体的に丸っこい姿をしており、まるで歩くぬいぐるみのような愛らしさがあります。
　現地での正式名称はドイツ語で『ヴァリザーシュヴァルツナーゼンシャーフ（Das Walliser Schwarznasenschaf）』、またはフランス語で『ムトン・ネ・ノワ―ㇽ・デュ・ヴァレー（Le mouton Nez Noir du Valais）』と呪文のような長い名前がついています（笑）。


アイリッシュを魅了する、世界一可愛い「黒鼻のヒツジ」
スイス原産のブラックノーズシープ
（スイスで撮影）。

　冬の寒さ厳しいスイスの山岳地帯出身のブラックノーズは、厳しい気候に強く、昔からスイスヴァレー州の山岳地帯に暮らす人々にとって、なくてはならない動物だったのだとか。現在でもこの地域で広く放牧されていて、なんとブラックノーズの"ゆるキャラ"までいます。
　見た目が可愛いだけではなく、性格も温厚で人懐っこいため、アイルランドでもブラックノーズを飼い始める人が増えてきているようです。

　ただ一つ大変なのは、アイルランドのヒツジに比べて毛が多く、そして毛はすぐ伸びるので、ひんぱんに毛刈りをしなければならないこと。アイルランドのヒツジは1年に一頭当たり2ｋｇ〜2.5ｋｇの羊毛がとれますが、黒鼻ヒツジはその倍の多さになるのだそうで、確かに厳しい寒さに耐えられそうな毛の多さです（笑）。

アイリッシュを魅了する、世界一可愛い「黒鼻のヒツジ」
ブラックノーズが多く放牧されている、
ヴァレー州ツェルマット。

　今やアイルランドでは、ヴァレー州ブラックノーズに関する情報交換をするグループまで設立されているのですが、本格的にスイスで買付け、アイルランドで飼育をする酪農施設もリムリック州にあります。
いつか、アイルランド全土でこの愛くるしいヒツジがどこでも見られる日が来るかもしれませんね。
2024年04月23日（火） written by Uisce 『エール備忘録』 from (アイルランド)
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