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デンマークの養子事情

デンマークの養子事情

コペンハーゲンで生活していると様々な人種を目にすることはもちろん、デンマーク語や英語以外の言語を耳にして、かなり多国籍だと感じることが多いです。人種が混じったカップルもたくさんおり、自分が日本人でありデンマーク人と結婚していることもあってついつい彼らに目がいってしまい、微笑ましいなあと思うのですが、今回はこちらへ来たばかりの頃の話です。

電車の中でしあわせそうな子供連れの家族がいました。両親はデンマーク人、子供に目をやると、それは4歳ぐらいのアジア人でした。
一瞬『あれっ、親子じゃないのかな?』と思ってしまいました。失礼ながらも話をこっそり聞いていると、子供は流暢なデンマーク語で両親と会話しています。両親の子供を見るまなざしは愛に溢れる親そのもの…

その後知ったのは、デンマークではアジア、アフリカ諸国から養子をとるカップルが多いということでした。
まだまだ養子縁組が一般的ではない日本では考えられませんが、こちらでは人種の違いに関係なく養子を取り、デンマーク人カップルがアジア系の子供やアフリカ系の子供を連れているところを目にすることは珍しくないのです。
デンマークで一番多い養子のケースはエチオピアからで全体の23%ですが、中国、朝鮮を足すとこれも23%(2008年データ)ですので、全体の養子の割合ではトップです。

私の知人にも韓国系のデンマーク人がいます。
彼女は2歳の時に朝鮮半島から養子としてデンマーク人夫婦に引き取られ、育てられました。名前は朝鮮系の名前をミドルネームとして保持していますが、朝鮮語は一切できません。デンマーク語で教育を受けてデンマーク人として育てられてきたので、外見はアジア人でも中身はデンマーク人そのもの。
人間のアイデンティティは血筋じゃなく外的環境で決まるんだなあ…と彼女を見ていると当たり前のことですが、それを思い出されます。

今まではデンマークでは同性愛者は養子が取れなかったのですが、これも2009年からは可能になりましたので、この先デンマークの家庭のかたちは更に多様化することでしょう。

現に私のイスラエル出身の知人はゲイでデンマーク人と一緒に生活していますが、彼らは数年前既にアメリカから女の子の赤ちゃんを養子として迎え入れ、3人で現在とてもしあわせな生活を送っています。

いろいろな家族のかたち。
デンマークにいると日常的に目にすることが多いです。しあわせそうな家族を見ていると、自分までしあわせをおすそわけしてもらえたようで嬉しいですよね。

2010年10月15日(金) written by 重千代 from (デンマーク)
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