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デンマークの興味深い学校制度

デンマークの興味深い学校制度
極寒のデンマーク
デンマークでは国民高等学校の意味のフォルケホイスコーレが生まれた国として有名ですが、今回は普通の学校についてご紹介します。
デンマークでは日本のように、小学校、中学校、高等学校と3つに分かれている訳ではなく、幼稚園の後にGrundskoleと言う英語でのGround Schoolにあたるものがあります。
そのGrundskoleで特筆すべきことは、初めの一年はBoernehaveklasseという、幼稚園ではないけれど学校でもないという特殊な一年があることです。
日本でいえばそれは小学校一年生にあたるのですが、こちらではそれを0年生と数え、Grundskoleの義務教育期間は小中学校にあたる9年と合わせて合計10年です。
このBoernehaveklasseでは、勉強ということはせず、強いて言えば学校という場に慣れる為だけの一年なんだとか。
その後は普通の日本と同じような各科目を勉強します。中でも英語のスタート時期は極めて早く、日本でいう小学校4年生から英語の授業が『英語のみで』進められます。この英語のみというところが言うまでもなくかなり重要で、故に大半のデンマーク人が流暢な英語を話すという説明にもなると思います。日本でもこういう形式の英語の授業が取り入れられるとかないとかという話を聞きますが、これで日本人の英語力がどう変わってくるかはかなり注目したいところですね。

10年間のGrundskoleを終えたらその後は任意でGymnasiumと呼ばれる日本でいう高等学校に進むか、専門学校へ進む子供が大半です。このGrundskoleでの一般的なことで、日本の感覚からすれば『えっ?』と思うことがいくつかあるのですが、そのひとつは『テストが全くない』ということ。
テストだけならまだしも、なんと日本のような成績表も一切ないのだとか。
日本なら中学校になれば中間・期末テストが何度もあったので、このデンマークの制度を羨ましいと思う人も多いかもしれませんが、これは私に言わせれば『究極のゆとり教育!』実際高校になるまでテストというのを受けないんですから、良く言えば成績を気にせず伸び伸びと自主性を保つことに重点を置いて育つということですが、実際『テスト』という場に耐えられない生徒も増えてきているそうです。他のEU各国に比べての生徒の学力低下も最近のデンマークの学校では大きな問題となっています。

デンマークでの子供の育て方、学校制度は子供の自主性と独立性と、全てにおいて『自由』が基本となっています。子供一人一人のいいところを周りと比べることなく伸ばそう、というのはいいことだと思うのですが、自由奔放なデンマーク人の子供、若者を見ていると時折、日本で育った私からすれば、もう少し協調性を育てたり、競争心を持って勉学に励んでもいいんじゃないかな?と思ったりもするのですが、どう思いますか?

2010年12月10日(金) written by 重千代 from (デンマーク)
Comment(1)


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この記事へのコメント

ドルク 2011/04/04/17:37
>もう少し協調性を育てたり、競争心を持って勉学に励んでもいいんじゃないかな?と思ったりもするのですが、どう思いますか?

あちらから見たら

「もう少し自立心を育てたり、周りだけでなく自己を見つめて勉学に励んでもいいんじゃないかな?と思ったりもするのですが、どう思いますか?」

という感じでしょうね
確か戦前まではデンマークも日本のような状況であったとジャーナルで読みました。

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