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20211101511

YMS資金証明で間違った指示をするビザ審査官に注意

YMS資金証明で間違った指示をするビザ審査官に注意

 英国ビザ申請は、そのほとんどが正しい審査によって行われますが、極まれにビザの知識に疎い審査官によって間違った判断を下されることがあります。

過去の審査ミスでは、
日本国籍のパスポートではYMS申請を受けられない
(→YMS申請却下された)

YMSの滞在期間は最大1年間である
(→滞在1年になった)

ビザの有効期間は審査日から2年間である
(→英国到着日を無視されて審査日をYMS開始日にされた)

ということがあり、申請者は「不服申し立て(却下された時)」や「異議申し立て(間違った判定の時)」の手続きによって、別の審査官が再審査を行うことで、最終的に審査ミスを認められ、正しい審査結果を得ています。
ただ、このミスによって申請者は無駄な時間を割くことになり、精神的にも苦痛を強いられます。

すべては、ビザの知識に疎い審査官が間違った判断を下したことが原因です。


今回取り上げるミスは、YMSビザの資金証明について、ルールの条文を勘違いし解釈している審査官についてです。


※ 2022年4月3日追記
なお、申請者の提出ミスの場合もありえますので、資金証明の提出方法については、以下のページで再確認をしておく必要があります。
資金証明の審査は、翻訳書でなく、日本語の原本で行われます」ので、翻訳書しか提出していない場合は書類不備になります。また、スクリーンショット画像での提出も書類不備になります。

・通帳(紙の冊子)による資金証明
https://workingholiday-net.com/UnitedKingdom/visa/evisa/Maintenance-funds.html#Pass_book

・取引明細書(ステートメント)による資金証明
https://workingholiday-net.com/UnitedKingdom/visa/evisa/Maintenance-funds.html#Bank_statements


※ 2023年1月30日追記
Immigration Rulesのアップデート(30 January 2023)で、条文そのままに、4.2 条から5.2条に、数字が変更されました。数字だけの変更です。

Immigration Rules Appendix Youth Mobility Scheme
Updated: 30 January 2023
YMS 4.1 → YMS 5.1
YMS 4.2 → YMS 5.2

https://www.gov.uk/guidance/immigration-rules/immigration-rules-appendix-t5-temporary-worker-youth-mobility-scheme


正しい資金証明の考え方 「Day 28」


 まず初めに正しい資金証明の考え方についてですが、現在のYMSビザの資金証明では

・入国できなかった時の強制送還時などの英国でのサポート費用として£ 2,530 に相当する日本円を28日間保持

・さらに、この28日目の日(最終日)は、資金証明提出日(パスポートを提出する日)からさかのぼって31日以内

となっています。

下図で説明

YMS資金証明で間違った指示をするビザ審査官に注意

※この28日間保持することが定められたのは2020年12月1日のビザの改定以後の事です。
2020年11月30日以前は28日間保持する必要がなく、貯蓄の保持は最終残高の1日間のみでした。
ちなみに、2020年11月30日までは、上記の条文は、
「・最終残高は、資金証明提出日(パスポートを提出する日に持参)からさかのぼって31日以内」
となっていました。







英国政府公式の原文ルールで確認してみることが大切


 現在のYMSの公式ページには、原文でこのように記載があります。(最新ビザ改定 2021年4月6日)
https://www.gov.uk/youth-mobility/eligibility

You must have at least £2,530 in your bank account to show you can support yourself in the UK.
(あなたは、英国で自分自身をサポート出来ることを示すため、あなたの口座に少なくとも£2,530持っていなくてはいけない。)

You will need to have had the money available for at least 28 days in a row. Day 28 must be within 31 days of applying for this visa.
(あなたは、少なくとも28日間続けてこのお金を利用できるようにしておく必要があります。28日目はこのビザを申請する31日以内でなければなりません。 )

ここでの、
「Day 28」とは、28日目の日のことで、連続28日間保持した最終日のことになります。



また、資金についてのImmigration Rulesの4.2 条には、28日間についての追記があり、
(※30 January 2023のアップデートで、条文そのままに、4.2 条から5.2条に、数字が変更された。)
https://www.gov.uk/guidance/immigration-rules/immigration-rules-appendix-t5-temporary-worker-youth-mobility-scheme

The applicant must show that they have held the required level of funds for a 28- day period and as specified in Appendix Finance.
(申請者は、Appendix Financeで指定されているように、28日間、必要なレベルの資金を保有していることを示さなければなりません。)

※Appendix Financeとは以下の Youth Mobility SchemeやShort-term Studentビザなどの複数のビザについての資金証明についての詳細(口座の種類や為替レートなどの説明)です。
https://www.gov.uk/guidance/immigration-rules/immigration-rules-appendix-finance




審査官の勘違い「a 28-day」による指示に惑わされない


 ところが、これらのルールを勘違いして解釈している審査官がいて、
この審査官によれば、「28日間の保持期間全体が、来館前の31日以内に含まれていないといけない」としていますが、上記のYMSの公式ページからもこれは間違いと分かります。


この審査官は申請者に対して、審査中に次のような内容の指示をEメールにて送ってきます。

・審査官の間違った解釈
Documents to support that you have held funds of £ 2,530 for a 28- day period (dated within 31 days before the date of application) in line with Appendix Finance.
「28日間全体が、来館前の31日以内に含まれていないといけない」から資金証明の再提出をしてください。

カッコ内の

(dated within 31 days before the date of application)

は、「審査官が独自に書き加えた部分」であり、上述の公式ルールImmigration Rulesの4.2 条には、このカッコ内の記載はありません。
(※30 January 2023のアップデートで、条文そのままに、4.2 条から5.2条に、数字が変更された。)

審査官は、「28日間全体が、来館前の31日以内に含まれていないといけない」と誤解をしています。




上述したとおり、英国政府公式YMSのサイトの正確な情報は

You will need to have had the money available for at least 28 days in a row.
"Day 28 must be within 31 days" of applying for this visa.

にある、「Day 28」が正しく、
「28日目が、来館前の31日以内に含まれていないといけない」
となります。



つまり、31日以内に含めないといけないのは、
「Day 28」(28日目)が正解
この審査官が言う「a 28- day」(28日間全体)ではありません。



もし、仮に全28日間全体を31日以内に含めるとしたら、資金証明の書類準備に残り3日間しかないことになります。
資金証明の書類準備は、銀行に書類を取り寄せたり翻訳を依頼したりする場合があるので、通常3日以内で用意できません。(銀行にステートメントなどの書類を取り寄せるだけで5〜10日かかる場合があります。)


別の審査官に審査してもらうようにミスを指摘する


 審査中に、申請者が審査官から間違った内容の指示をEメールで受けた場合は、審査官の指示に惑わされないようにすることが大切です。

まず、自分自身が提出した書類に間違いがない事を上記の公式サイトを示して審査官にDay 28の方が正しい事を説明する必要があります。
この際に、審査官の指示に従い資金証明の書類を新たに作り直してはいけません。既に提出済みの書類を再提出します。

担当した審査官の間違いを指摘するだけで、異なる審査官が再審査をしますので正しい審査が行われて渡航許可が下ります。


2021年11月01日(月) written by ワーホリネット from (イギリス)


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