オーストラリア(NSW州)で自動車免許を取得する為の手続きや試験内容を紹介しています。ただし、オーストラリアの運転免許は州政府の権限の発行になるため州ごとに試験の方法や条件等が若干異なることをまずは理解して下さい。以下の情報はあくまでニューサウスウエールズ州(NSW)での事であって他州では類似してはいますがこれと同一ではないと言うことです。くれぐれもご注意下さい。
日本語の教本に書かれていたのは誤訳で英語の教本には明確に「日本語では受けられません」と書かれているではないか!! 大いに怖じ気づきながら渋々英語で試験を受けるハメに。結果はやはりダメ。試験は三択でパソコンを使って行われ、規定以上の不正解があるとその場で即試験は中止されます。選択した答えに対しての正解・不正解は都度、画面に表示されまるでクイズゲームのような印象を受けます。 私の場合は3度目で合格(全問正解!!)となりましたが、毎回出される最初の1問目は同じもの。『この試験中にカンニングして見つかった場合、どうなりますか?』というもので、答えは『今後6週間この試験を受験することができない』です。さあ、これであなたも1点獲得。
全ての試験内容は極めて常識的なもので語学上の問題さえなければすぐに合格できます(と私は個人的に思います)。私の場合は無理に自分で全部をやろうとしたため時間がかかりましたが通訳を頼む(無料)事もできますし、試験中に分からない単語があった場合、試験監督となるRTA職員に説明を求めることもできます。英文で書かれた教本と日本語の教本を並行して読めば分からない単語も容易にその意味を見つけられますので試験勉強にはとても有効でしょう。
試験の最初の15問は一般常識。残り30問は運転技術に関するものですがどれもそう難しいものではありません。運転技術試験問題の後半に標識に関するものが集中しますので標識は必ず覚えておきましょう。一般常識問題は「事故を起こしたとき、被害者を救護すべきか」などの本当に「常識」の試験です。 私の受験中にもオーストラリアの若者(17歳からこの試験が受けられる)の多くがこの「一般常識」試験で落第して帰っていきました。彼らは一体何を勉強してきたのだろう・・・いまだにこれには答えが見つかりません。 オーストラリアでの運転条件が日本と少し違うのがお酒を飲んだあと、一定の条件をクリアすれば運転が認められていること。そのため試験問題の中に「どれだけのお酒を飲んだら運転できないか」や「運転するにはビールを1時間に何杯まで飲むことができるか」などというものがあります。これは結構ややこしいので注意が必要です。
運良く、運転知識試験翌日の最終枠にキャンセルが出たので翌日試験を受けることに(この地区では予約後、通常3週間程度待たなければならない)。試験には日本で取得した国際運転免許がありますので自分で運転して試験場まで行きました。ただし、路上運転試験で落第した場合は国際免許での運転資格は失効し、仮免許(Learner's Licence)資格のみ有効となりますので必ず運転資格を持った人を同伴する必要があります。
RTA(Roads and Traffic Authority)内の連絡ミスでさんざん待たされたあと、ようやく試験開始。なお、試験用の車は自分で持ち込んだ車で行われ、試験前には車の点検が行われます。点検はブレーキランプ、ヘッドライト、方向指示器などが正常に作動するかというもの。これらが動かなければ即試験中止ですので要注意。
点検が終わり同乗した試験官は「この試験に関する質問はありますか? 試験開始後は試験に関する質問は受け付けられません。また運転者の注意を逸らすような会話は一切しません。」と厳かに宣言。
そうそう、初心者の運転に同乗する彼らこそ、「命がけの仕事」をしているのだから・・・と妙に納得しつつ試験に入りました。試験は基本的な運転技術について。特にラウンドアバウト(ロータリー状の交差点施設)内での運転は厳しくチェックされます。その他の試験項目は縦列駐車、3ポイントターン、運転中の安全確認動作、標識の認識など。特に安全確認動作は首を動かして表現するのがコツのようで「ナガシ眼」は評価されにくいようです。
試験も中盤に差し掛かったことからあの「厳かな宣言」はどこへ行ったのやら、試験官からは「右」「左」は日本語でどう発音するのかといった質問や、彼らの子供が小学校で日本語を学んでいる事などたわいもな い会話が始まりました。試験はポイント制でトータルのポイントが一定の基準を越えれば合格です。試験終了後、試験官は事務所に入り私は受付の前で待つように指示されました。結果はもちろん合格! 結果通知の時点で試験についての講評をもらう事になります。
私の場合は国際免許証資格で試験前に既に1万5千キロ以上を走っていましたので「何を今さら路上試験なんだっ!」などといいながら余裕を持って受けることができましたがオーストラリアで初めて免許を取得しようという人は仮免許期間中にしっかり練習しておくことをお勧めします。路上試験に合格すると即、写真撮影が行われ免許が交付されます。
なお、2004年以降、日本の運転免許証よりの書き換えには試験の受験が不要になりました。