世界各地で問題になるオーバーツーリズム ソーシャルメディアの弊害 | ワーキングホリデー通信
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世界各地で問題になるオーバーツーリズム ソーシャルメディアの弊害

【写真:イタリア,カレッツァ湖】

夏休み中に行った北イタリアのドロミテ山脈では,オーバーツーリズムの予兆を感じさせるものがありました.
オーバーツーリズムとは日本語で「観光公害」とも言われ,特定の観光地に観光客が過度に集中することで,地域社会や環境に悪影響を及ぼす現象です.

10年以上にわたってこの地方に足を運んでいますが,近年は過ごしやすい気候に魅了されて毎年夏に行くのを心待ちにしています.
年を重ねるごとに,この地方の人気のスポットを訪れる観光客は徐々に増えているのを実感します.地元の人々は,ドロミテ山脈がユネスコ世界遺産に登録されて以来,より幅広い層の観光客が来るようになったと言っていました.




【写真:多くの人が押しかける
イタリア,カレッツァ湖.】

特にインスタグラムなどのソーシャルメディアで取り上げられる景観の素晴らしいスポットには世界から観光客が訪れます.
ケーブルカーに乗るのに2時間以上列を成して待つなどの影響が出ています.この素晴らしい地域を訪れることは素晴らしいことだと思いますが,問題は,登山道にゴミを捨てる人や,現地のルールを守らない人がいることです.

今回訪れた,ドロミテの宝石と呼ばれているカレッツァ湖(Lago di Carezza)では,朝向かったにも関わらず駐車場は1時間待ち.多くの人がエメラルド色に輝く素晴らしい湖を写真におさめたら次のスポットに行くというパターンが多いのでしょうか.登山道はかなりガラガラでした.



【写真:雄大なドロミテ山脈】

この地域に毎年登山をしに来る観光客の人は,インスタ映えするスポットに多くの人々がドッと押しかけて,登山やサイクリングには興味もない,と言っていました.もちろん人それぞれ,個人の自由を尊重しますが,ただインスタ映えな写真を収めて満足するというのは,その土地をより深く知る機会を逃していて勿体無いなと個人的には感じます.





【写真:ドロミテ山脈,セチェーダ山.】

さて,時を同じくして,パリのモンマルトルがオーバーツーリズムで近隣の住人たちから不満があがっているという記事を読みました.
京都でも同様の問題が発生しているのは皆さんよくご存知のことと思います.修学旅行の定番である京都が,インバウンド観光客で溢れているために,学校は他の旅行地に変更を余儀なくされている,というニュースも見ました.

ソーシャルメディアのおかげで素敵なスポットを容易に知ることが出来るようになったのは良いことですが,その地に足を運ぶ際は,地元の方々に敬意を払い,環境に配慮し,現地のルールを守り,迷惑行為をしないように心がけたいものです.



2025/09/09(火) Paris Eyez
No.7110 (フランス)


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