旅行者を襲った狂犬病の悲劇 アフリカや東南アジア,南米旅行の注意喚起<br> | ワーキングホリデー通信
ワーキングホリデー通信
旅行者を襲った狂犬病の悲劇 アフリカや東南アジア,南米旅行の注意喚起


【写真:アイルランドのビーチで飼い主を
辛抱強く(しぶしぶ?)待つワンちゃん

世間はそろそろ夏休み.アイルランドでおうちホリデーする人あれば,アフリカやアジア,南米など遠くの国までアドベンチャーしに行く人などそれぞれだと思いますが,最近「狂犬病(rabies/レイビーズ)の予防接種」に関する話題をメディアでちらほら目にするようになり,気になりました.


まず59歳の英国人女性が,今年2月旅行で滞在していたモロッコで子犬に引っかかれ,それが原因で6月中旬に死亡したと報道されました.死因は狂犬病とのこと.



そしてその後,同じく休暇でモロッコに滞在していたスイス人女性も,遊んでいた野良犬に引っかかれ,6月下旬に亡くなったのだそうです.スイス人女性は犬に引っかかれてすぐに病院で狂犬病用ワクチンを打ったものの,命は助からず.彼女の死因も狂犬病が疑われています.

日本やヨーロッパの多くの国では今やほとんど発生例がなく,日本においては1956年が最後(2020年にフィリピンで犬に噛まれた外国籍男性が,日本入国後に狂犬病を発症,死亡した事例はあり).



しかしアフリカや東南アジアなどではまだまだ多い感染症なので,例えばバカンス先で狂犬病に侵されている野良犬や野良ネコと知らずに遊んでいるうち,引っかかれたり噛まれたりして,最悪の場合自分も発症して命を落とすことにもなりかねません.

犠牲になった上記の英国女性も,滞在先で野良の子犬にちょっと引っかかれた程度だったので,たいして気に留めていなかったそうです.その後英国に帰国し,数カ月経って体調が急激悪化,頭痛から始まって最終的には歩くことも話すこと,眠ることや物を飲み込むことすらできなくなっていったようです.



狂犬病は致死性ウィルス性脳炎なので,一度発症してしまうとほぼ100%の確率で死に至るというので本当に怖いです.

ちょっと野良犬や野良ネコに触れた,エサをあげた,なめられた……程度なら大丈夫だそうですが,もし噛まれたり引っかかれたりしたら,現地の病院にすぐに行きワクチンを数回打つこと,と言われていますが,前述のスイス女性のように助かる保証はありません.こういった国に行く時は,出発前に予防接種を受けるのが安心かもしれません.

ちなみに,野良犬や野良ネコだけではなく,キツネやコウモリといった野生動物に対しても要注意なのだとか.



ちなみに,野良犬や野良ネコだけではなく,キツネやコウモリといった野生動物に対しても要注意なのだとか.

ところで野良犬に関しては,私も一度苦い経験をしたことがあります.十数年も前の話ですが,西部ゴールウェイの鄙びた地域に住む友人を訪ねて行った時,友人宅の前に可愛いモコモコの毛をした子犬がいたので一緒に遊んでいたら,なんとその子犬に蚤をもらってしまい,体中が猛烈に痒くなって数日眠れず.ベッドの布団やシーツなど全部洗い,熱消毒するはめになったのでした.

それ以来,どこにいようと野良犬や野良ネコにはうかつに手を触れないよう気をつけているのですが,気さくな子たちがキラキラした目で「遊ぼう!」と来ると,なかなか邪険にできず辛いところ.
それでもわが身の安全.健康を第一に,今後も慎重行動しようと思います.

○参考○

狂犬病発生国(2022年/世界保健機構)
https://apps.who.int/neglected_diseases/ntddata/rabies/rabies.html


2025/07/15(火) Uisce
No.7099 (アイルランド)

TOPに戻る

(C)copyright 2025
ワーキングホリデー通信