フランスのサボワールフェール(職人技) 東京の「自由の女神像」も制作<br> | ワーキングホリデー通信
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フランスのサボワールフェール(職人技) 東京の「自由の女神像」も制作


毎年初春にアートクラフトの日(正式名称は,JOURNÉES EUROPÉENNES DES MÉTIERS D'ART)が開催されます.今年も3月末から4月初めの一週間にわたってフランス各地では様々なイベントが催されました.年に一度の貴重な機会とあって,私も普段は立ち入ることのできない歴史ある工房を訪ねました.

パリから約45分でシュヴルーズ渓谷で有名なサン=レミ=レ=シュヴルーズの町に着きます.この町にある歴史あるクーベルタン鋳造所とアトリエ.サンジャック(サンジャックとは,「帆立」の意味)は,1950年以来,金属,木材,石材,ブロンズの4つの工房で独自の「匠の技」を継承してきました.




ベルサイユからもそう遠くないこの工房では,ベルサイユ宮殿など数々の名高い城や美術館,歴史的名所のオブジェの修復が行われ,建築と文化遺産の修復の分野で長年に渡って主導的な存在となっています.

また,この工房で働く熟練された約160人の職人たちは,建築家,インテリアデコレーターやアーティストと共に,フランス国内はもとより世界からの特注品を制作しています.訪れたこの日もアメリカの有名な美術館からの発注で製作されている家具を見ることができました.




銅とエンボス加工金属の工房を備えたクーベルタン鋳造所は,現代建築と芸術の分野で特に活躍しています.
ちなみに,東京お台場にあるブロンズ製の自由の女神像は,フランス政府からレプリカの建立が認められ,このクーベルタン鋳造所で制作されたものなのです.

そして,このイベントの魅力は工房でモノづくりを体験できることです.普段は出来ない石削り,鋳物,金属細工などの体験が出来て,子どもも大人も夢中になっているのが印象的でした.私も貴重な体験に大満足でした.




広大な敷地にある庭はまるで美術館.数々の美術品が私たちの眼を楽しませてくれます.フランスの職人技の卓越性を体現しています.

伝承,革新,そして手作業の知性が,このアトリエの中核的な価値観を形成しています.フランスのサボワールフェール(職人技)はこれからも後世に受け継がれていくのでしょう.



2025/04/22(火) Paris Eyez
No.7070 (フランス)

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