![]() 【写真:とはいえ,年々海外渡航の ハードルが上がって行きますね….】 |
すでに今まで何度かトピックにしている,欧州シェンゲン域に渡航する際に必要となる認証制度『エティアス(ETIAS)』ですが,今はどういう状況なのでしょうか.
「エティアスって何だっけ?」という人もいれば,2023年時点での古い情報が残っていることから『エティアスが2025年5月から導入?』と焦る人までさまざまなようですが,実際には2025年5月からエティアスはまだ始まりません.
2025年3月10日現在,欧州連合(EU)の公式サイトには「ETIAS(エティアス)は2026年第4四半期中(2026年10月〜12月の間)に導入予定」とあります.
おさらいしておきますと,「エティアス」とはすでに導入されている米国のESTAやオーストラリアや英国のETAの欧州版で,日本含め現在ビザなしで欧州のシェンゲン域に入国できる国籍保持者が取得すべき認証システムです.
その対象となる国々は以下の29カ国(2025年3月10日現在).アイルランドが含まれていないことにご注意ください.オーストリア/
ベルギー/
ブルガリア/
クロアチア/
チェコ/
デンマーク/
エストニア/
フィンランド/
フランス/
ドイツ/
ギリシャ/
ハンガリー/
アイスランド/
イタリア/
ラトビア/
リヒテンシュタイン/
リトアニア/
ルクセンブルク/
マルタ/
オランダ/
ノルウェー/
ポーランド/
ポルトガル/
ルーマニア/
スロバキア/
スロベニア/
スペイン/
スウェーデン/
スイス
(30カ国目のキプロスは,近くシェンゲン圏に加盟するため,欧州渡航情報.認証制度が開始されれば,ETIASはキプロスにも適用されます.)
導入の理由として,昨今のテロなどの犯罪や難民問題,紛争といった状況から,違法.犯罪犯罪行為をたくらむ人間を前もって入国拒否できるようにするためだそう.
エティアス導入に先立って,EES(Entry/Exit System)なるものが開始されるはずなのですが,これもまだ始まっていません(2025年10月頃に開始予定).EESは上記29カ国以外の国籍の人が入国する時に,パスポートや顔認証,指紋採取といった個人データを登録するシステムで,これに対しては私たちは何もする必要がありません.
このEES開始の1年後ぐらいにエティアス導入…という段取りのようです.
そういうわけでしばらくは「エティアスはいつ始まるのか」とやきもきしなくてよいのでご安心を.そして仮にエティアス導入後,知らなかった!忘れてた!となっても過渡期間や猶予期間が半年間あるということなので,うっかり忘れても欧州シェンゲン圏に即入国拒否,とはならなさそうです.
ですのでエティアスに関しては,そこまで神経質にならなくても大丈夫そうですね.