![]() 【写真:これだけのケーキを一気に食べるのは, さすがに"a piece of cake" ではないです(笑)】 |
2カ月ほど前の話で恐縮ですが,言語学習アプリ『ヴォクシー(Voxy)』が,アイルランドと英国で最もよく使われている慣用句(イディオム)を紹介していました.
もちろん出身地域や世代によって使用頻度はかなり異なってくるとは思うのですが,ランキングによれば以下の10個なのだそうです.
(容易にできること,たやすいこと)
(高くついた)
(頑張る,上手くやる)
(猛勉強する)
(うっかり秘密を漏らす)
(核心をつく)
(起こりえないこと)
(見ただけで人を判断してはいけない)
(自分の能力以上のことを試みる)
(お返しをする)
上記のランキングで,自分が使ったことがある,もしくは誰かが使っていたのを聞いたことがある慣用句は7つぐらいでした.
それにしても,日本語の慣用句もそうですが,英語の慣用句も「何でそんな意味になったんだろう?」と首を傾げるものは結構あります.そしてその"起源"とやらもいくつも説があって,真偽が分からないものが多いので,言葉って面白いなと思ったりします.
【写真: "hit the books"に歴然たる由来はないようですが, "hit the trail/road(出発する)"のように何かを始める, というところから来ているという説が多かったです. 】 | ![]() |
例えば使用度1位の"a piece of cake"は,私が中学生の頃,英語の時間に習った最初のイディオムですが「何で"一切れのケーキ"が"簡単にできること,たやすいこと"になるんだろう」と疑問に思ったのを覚えています.
そこで起源を調べてみると,たくさん出てきました(笑).
「1870年代,北米の奴隷が優勝賞品のケーキを囲んで踊るケークウォークの賞品としてケーキがよく贈られたから」や「1930年代後半,イギリス空軍が簡単なミッションを"ケーキのようにsweet(取り扱いが簡単)"と言っていたから」,さらに「その起源は製菓子業界にあって,ケーキは比較的簡単に作れるデザートと思われがちだったので,簡単なものを表すのに使われるようになった」などとバラエティに富んでいますが,どれもイマイチ説得力に欠ける気も(苦笑).
日本語でも「朝飯前」なんて表現がありますが,こちらは「朝飯前の短い時間で片付けることができる」「朝飯前の空腹時でもこなせる」が起源という説がほとんどで,個人的にしっくりきます.日本人だからでしょうか.
その他のランキング入りした表現も,それぞれに個性あふれる起源があります.英語力アップに励まれているワーホリメーカーさんもいらっしゃると思いますが,イディオムや単語を丸暗記していくよりも,由来などと一緒に覚えると楽しく覚えやすいかもしれませんね!