飼い犬に関する悲しい事故で,アメリカンブリーXLの飼育が禁止に — アイルランドの動物愛護と規制の狭間<br> | ワーキングホリデー通信
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飼い犬に関する悲しい事故で,アメリカンブリーXLの飼育が禁止に — アイルランドの動物愛護と規制の狭間


【写真:アイルランドで人気の犬種,
ゴールデン.レトリーバー】

日本では犬を飼っているお家がけっこうありますが,アイルランドでもワンちゃんを飼っている人は多いです.犬種も様々で,例えば私の知人.友人の飼っているペットはラブラドールやゴールデン.レトリーバー,シープドッグにミックス犬などバラエティに富んでいます.

そんな犬好きが多いこの国で,犬に関する事故が近年相次いで起こっています.



2022年11月,ウェックスフォード州在住の9歳の男の子が,ピットブルに分類されるアメリカンブリーXL(XL bully)という犬に襲われ,顔,体と脚に重傷を負ってしまいました.これにより飼い主の男女は懲役2年の判決を受けています.
そして今年6月,今度はリムリック州在住の23歳の女性が,自分が飼っていたアメリカンブリーXLに襲われ,命を落とすという悲劇が起きました.女性は他にも数頭犬を飼っており,すべていわゆる"危険特定犬種"だったため,そろって殺処分となったそうです.

またほぼ同じ時期のドネゴール州で,ジョギング中の20代男性が特定犬種であるロットワイラーに襲われ,脚を大怪我しました.ロットワイラーは飼い主の女性と散歩中でしたが,飼い主の手から逃れ,ジョギングの男性を追いかけて噛みついたとのこと.

さらに8月,ケリー州で1歳ぐらいの女の子がアメリカンブリーXLに襲われ大怪我をしています.女の子を襲った犬はただちに殺処分となりました.




【写真: (参考画像)アメリカンピットブルテリア】

そして今まで飼育を禁止する犬種も存在しませんでしたが,今回続いた事故により,段階を踏んで,今年10月1日よりアメリカンブリーXLの売買や輸入を禁止,そして2025年2月1日からは,証明書なしでの同犬種飼育を違法とする法律を施行することとなりました.

実はお隣り英国でも,今年2月から無登録でのアメリカンブリーXL飼育が禁止となっているのですが,アイルランドと同様の事故が起きたことが起因しているようで,今後ますます特定犬種の飼育に関してルールを守る必要性が高まっているように思います(犬用のマズルを装着させる,など).



家族に迎えいれた飼い犬に怪我をさせられたり,今回のように最悪命を落とすことになるなんてあまりに悲しすぎます.殺処分になるその犬も,ある意味犠牲者です.

今後は,こういった心痛む事故が起きないよう祈るばかりです.



2024/09/10(火) Uisce
No.7003 (アイルランド)

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