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ジブリ映画とジョナサン.スウィフト アイルランドの小説がジブリに与えたもの


【写真:アイルランドでも上映の
「君たちはどう生きるか」
英語タイトルは
「少年と鷺(The Boy and the Heron)」】

今年に入ってすぐの1月7日,第81回ゴールデン.グローブ賞で,スタジオジブリ制作,宮崎駿監督の作品『君たちはどう生きるか』がアニメ映画賞を受賞しましたね.日本の作品がこの賞を受賞するのは初めてなのだとか.

アイルランドでも昨年末頃から公開されているこの映画,タイトルは『The Boy and the Heron(少年と鷺)』.原題とはかなり異なります.
原題を英訳に直訳した『How do you live?』だと,抽象的で話が想像しにくいので,主要キャラクターの少年眞人(マヒト)とアオサギを英語タイトルにしたのかな,と想像しています.


ジブリ映画では(ジブリ映画に限りませんが),他にも邦題と英語タイトルが異なっている作品があり,アイルランドに来たばかりの頃,面白いなあ〜と思っていたのを覚えています.

『Princess Mononoke(もののけ姫)』や『Grave of the Fireflies(火垂るの墓)』『Nausicaa of the Valley of the Wind(風の谷のナウシカ)』など邦題そのままのものもあれば,『Ponyo (崖の上のポニョ)』や『Pom Poko(平成狸合戦ぽんぽこ)』のように一部だけが英語タイトルになったもの,はたまた『Spirited Away(千と千尋の神隠し)』『Porco Rosso(紅の豚)』『Only Yesterday(おもひでぽろぽろ)』のように,邦題とかけ離れているけど端的な英語タイトルなもの…など,色々と英語の勉強にもなりそうです.


このようにスタジオジブリ作品始め,世界中で大人気の日本アニメ映画ですが,その中の一つ『天空の城ラピュタ』は,アイルランド出身の風刺作家,随筆家であったジョナサン.スウィフト(Jonathan Swift)の『ガリバー旅行記』がモチーフとなっています.

『ガリバー旅行記』は,ガリバーが小人国へ行った話が有名ですが,小説では小人国以外に"大人国""馬の国""浮島ラピュタ"そして日本を訪れた話が書かれていて,これらの話もなかなか面白いです.

さてこの風刺小説『ガリバー旅行記』の作者として知られるジョナサン.スウィフトですが,作家だけではなく,ダブリンの聖パトリック大聖堂で長く司祭長も務めていました.そのため現在も同大聖堂にはスウィフトが使用していた説教壇やテーブルなどが保管されており,さらには彼のデスマスクも2点,頭蓋骨の鋳型まで残っているのだそう.



【写真:ダブリン.聖パトリック
大聖堂内にある,
ジョナサン.スウィフトの
記念プレート】

今まで何となくな気分で訪れていた聖パトリック大聖堂ですが,次回再訪する機会があれば,ジョナサン.スウィフトが司祭長として"説教"をしていた時代にも想いを馳せてみたいと思います(彼のお説教は非常に長かったそうです.苦笑).



2024/01/30(火) Uisce
No.6954 (アイルランド)

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