![]() 【写真:アルマーニならではの 色とデザイン.】 |
ジョルジョ.アルマーニといえばイタリアを代表する世界的なファッション.デザイナーの一人.
彼のシンプルでありながらエレガントで優美なデザインのファンも多いことでしょう.そのデザイナーの40年間にわたる素晴らしい仕事を振り返るために,2015年,ミラノのポルタ.ジェノヴァ地区に「アルマーニ.シロス」という美術館が設立されました.
そこには1980年から今日に至るまでのジョルジオ.アルマーニのコレクションから約600着の衣装と200点のアクセサリーが展示されています.圧巻!
![]() 【写真:素敵なアクセサリーもズラリ.】 |
もともとこの場所は1950年から農業用の米.小麦.とうもろこし.大豆等の農産物,家畜の飼料を蔵置.収蔵する穀物倉庫(Silos/サイロ)があり,その跡地にアルマーニが4階建ての面積は約4,500平方メートルの美術館を建てたので「アルマーニ.シロス(サイロのイタリア語読み)」という名前にしたのだそうです.
食物と同様,衣服もまた生活に必要なものだからという意味を込めているのだとか.
![]() 【写真:ミニマルなアルマーニのカフェ.】 |
建物は彼のデザインと同じように,シンプルさの追求や規則的で幾何学的な形への情熱,均一性と秩序という彼のルールに従って,一見無機質で地味に見える建築なのですが,余分な装飾や機能をすべて排除することで,アルマーニのデザインの本質を追求する,彼の美学と一体化したような空間が広がり,そこに彼の美の結晶であるエレガントな衣装がズラリと展示されていて,鑑賞者の興味と好奇心を刺激するという感じになっています.
また常設展示に加えて,ギフトショップ,屋内カフェスペース,デジタル.アーカイブの提供など,様々なサービスがあります.
建物最上階にあるデジタル.アーカイブでは,今までのプレタポルテとオートクチュール.コレクションに関連する資料や彼のスケッチ,ファッション.ショーのバックステージのビデオ,広告キャンペーンの写真等々があり,ジョルジオ.アルマーニの世界を心ゆくまで堪能できます.もちろんこのアーカイブは無料で閲覧できます.
![]() 【写真:ギイ.ブルドンの写真展が開催中.】 |
建物1階は企画展(写真展)スペースになっていて,期間ごとに様々な展覧会が催されますが,現在2023年8月31日まではフランス人の有名写真家ギイ.ブルダンの展覧会が開催中です.
彼の有名なショットとあまり知られていない画像を含む100点の写真は,ブルタン特有の衝撃的な写真も多くありました.しかし衝撃を観客に与えることではなく,むしろ見る人に画像というものに興味と疑問を持ってもらい,それを問いかけることを促すのが彼の目的.遊び心も加わった不思議な写真展でしたが,とても興味深い展示だと思いました.
Armani Silos
Via Bergognone 40 Milano