![]() 【写真:ストの日はメトロの線によっては運行中止.】 |
年明けにフランス政府が発表した年金改革に反対するデモが1月19日にフランス全土で行われ,約112万人もの人々が街頭に出て反対の声を上げました.
年金の支給開始年齢を62歳から64歳に引き上げることがこの改革の柱.そして仕事が重労働だった蒸気機関車時代の名残で,国鉄職員に与えられている特権が廃止されるなどの内容.
マクロン政権1期にも改革は試みられましたが,公共交通機関が長期に渡って麻痺するなど一般市民にも多大な影響が出たため,結局断念に終わった.フランス国民の気持ちは充分に分かると同時に,ストは本当に厄介で,私たちの日常生活に大きく支障をきたします.
この日もフランスの多くの鉄道はキャンセルされ,パリにおいては,メトロなどの交通機関はラッシュアワーのみの運行となりました.
昨今は公共交通機関が間引きされたり,遅延が目立つ中,年明けに「ナヴィゴ」と呼ばれる交通定期パスは1割以上も値上げされました.不満が募るのも理解できます.
テレワークが出来ない人たちは普段利用しない自転車やトロティネットと呼ばれる電動キックボード),カーレンタル,カーシェアリングなどを利用して仕事に向かう様子が多く見られました.
フランス人はストに慣れっことはいえ,予定を変更したりキャンセルせざるを得なくなるなど,やはり精神的にも肉体的にも疲れるものです.
このストは再度1月末にも予定されており,長期化が予想されます.昨今の物価上昇に加えて,今回の年金改革は労働者には決して受け入れ難い内容のようです.