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イタリア文化都市2023年は2都市で開催


【写真:ベルガモの旧市街には
ケーブルカーで上がろう. 】

イタリアの文化都市というのは文化省によって毎年指定され,同省によって任命された専門家の委員会によって選ばれた都市のことで,1年間に渡って文化的な発展や市民生活に根差した文化活動などを通じて,その都市を紹介するイベントのことです.こうしたイタリアの文化都市のプロジェクトは,マテーラ市がヨーロッパ文化都市として宣言されたことを受け,2014年に当時の文化大臣の提案から生まれたプロジェクトです.

最初に選ばれた都市はマテーラとともにヨーロッパ文化都市の選定に参加していたカリアリ,レッチェ,ペルージャ,ラヴェンナ,シエナの5都市で,2015年は共同で文化都市イベントを開催しました.翌2016年からはイタリア文化都市は文化省が発表した入札公募を通じて選ばれることになりましたが,唯一の例外は2021年,パンデミックの最中でのことでした.



【写真:ブレーシャにはローマ時代の
遺跡がたくさん残っている. 】

その前年パルマに割り当てられた文化都市の称号がコロナ禍のために延長され,2020〜2021年の2年間に渡ってパルマが文化都市を引き継ぐことに.今年2023年はイタリア内でコロナ禍の影響を最も受けたロンバルディア州の社会的.経済的および文化的活性化を促進するために,ベルガモとブレーシャの2都市をイタリアの文化都市として政府令で指定することになりました.

この文化都市の目的には「文化的および景観的資産の強化」と「観光向けサービスの改善」というのも含まれていますが,コロナ禍で多くの犠牲者を出したベルガモとブレーシャにとっては「希望」と「再始動のしるし」としての決意があるそうです.開会式の日には2都市の市長とそれぞれの地域の文化的機関の長たちの決意表明がありましたが,一番印象に残ったのは「パンデミックの辛くて悲しくて苦しい経験の後に,これから必要なものは美しさの瞬間を共有すること」という言葉でした.



【写真:マルティネンゴ宮での
展覧会チラシ 】

文化の意識的な選択による再生の可能性を求め,民間教育やスキルの構築,そして新しい雇用,社会的および経済的回復力もこの機会に求められます.

文化的イベントのスタートとしては,長い間閉鎖していたブレーシャのリソルジメント博物館がリニューアルオープン.大量のデジタル.コンテンツのおかげで常に一般公開できなかった貴重な文書,写真,版画,および図面を表示できるようになり,若い人たちにも足を運んでもらえるような工夫が色々とされているようです.またマルティネンゴ宮では『ロレンツォ.ロット,ロマニーノ,モレット,チェルーティ』展が開催されています.ルネサンスからバロックまで4世紀に渡るヴェネツィア支配下の2都市で生まれた絵画の傑作が集結する展覧会なのだとか.




【写真:カッラーラ美術館で開催中の
世界初の展覧会】

ベルガモではカッラーラ美術館で1月28日からイタリア初の,そして世界初でもある『チェッコ.デル.カラヴァッジョ』に捧げる展覧会を開催.彼はメリージ(画家カラヴァッジョ)の弟子であり,また絵のモデルとして知られていますが,画家としての才能も近年認められつつあるようです.非常に珍しい展覧会だと思います.そしてベルガモといえばドニゼッティの故郷.ドニゼッティのオペラや音楽をメインとしたイベントもたくさん用意されているようです.ドニゼッティの故郷で彼の作品を楽しむことは,世界の他のどの都市でも提供できない,ベルガモだけでの貴重な経験ですね.

その他も色々な企画が1年間に渡ってありますので,是非ホームページをチェックしてみてください.

https://bergamobrescia2023.it/



2023/01/31(火) Maliarda
No.6873 (イタリア)

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