
フランスを代表する作曲家の一人にミシェル.ルグランという方がいらっしゃいます.
その名前に馴染みがない方でも,彼の音楽を一度は耳にされた方もきっといらっしゃるのではないでしょうか.中でも『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』は彼の代表作で,アカデミー歌曲賞を受賞しています.
カトリーヌ.ドヌーブのチャーミングで素晴らしい演技のイメージと,ストーリーと彼の音楽とが見事にマッチして,とても印象に残っています.これらの映画をご覧になった方は日本にも多いでしょう.
アメリカでもマイルス.デイヴィスやサラ.ヴォーンなどの大御所のジャズミュージシャンたちと共演するほどジャズピアニストとしての腕前も素晴らしく,彼のフランス調の音楽はもちろん,ポップスにジャズタッチを加えた彼の音楽は,音楽や映画の本場アメリカでもとても愛されました.

ミシェル.ルグランはちょうど3年前にこの世を去りましたが,彼の音楽は私達の心の中にずっと残り続けることでしょう.彼へのオマージュコンサートが2年の延期(コロナ禍やテクニシャンのストライキなどにより)を経て先日パリのメゾン.ド.ラジオ.フランスで行われました.コンサートには,ミシェルが生前活動を共にしていたミュージシャンたちや彼の奥様で女優のマーシャ.メリルさんも出演し,素晴らしい楽曲の数々で私たち観客を楽しませてくれました.
会場の雰囲気からも,フランス人がミシェル.ルグランの音楽やそのユーモアに溢れる人柄を愛し,敬愛してやまない様子を深く感じたひと時でした.