![]() 【写真:世界遺産スクロヴェーニ礼拝堂.】 |
今年2021年イタリアではユネスコ世界文化遺産の登録数が3つ増えて登録数が合計で58となり世界一の地位を保っています.
今回新たに登録された3つをご紹介.
(1)14世紀パドヴァで描かれた一連のフレスコ絵画群.教会や礼拝堂などパドヴァ内の8つの建物に残るフレスコ画作品が登録されています.
それぞれ1302年〜1397年の間にジョットをはじめとする様々な芸術家によって描かれたにもかかわらず,それぞれのフレスコ画は様式や表現方法と内容に統一性をみせているのが特徴です.
![]() 【写真:ジョットのフレスコ画は必見.】 |
特に必見はジョットが描いた有名なスクロヴェーニ礼拝堂の一連のフレスコ画.今まで世界遺産登録されていなかったのが不思議なほど素晴らしい空間が広がっています.フレスコ画がいかに新しい空間表現で発展してきたかが分かる絵画群.是非下記の8つの建物を次回の旅に加えてみてください!
1.スクロヴェーニ礼拝堂
2. エレミターニ教会
3. ラジョーネ宮
4. サンタントニオ大聖堂と修道院
5. 大聖堂の洗礼堂
6. カラレーゼ宮の礼拝堂
7. サン.ジョルジョ礼拝堂
8. サン.ミケーレ礼拝堂
![]() 【写真:ボローニャのポルティコ群も世界遺産登録!】 |
(2)ボローニャのポルティコ.ポルティコとは建物の一部のように上部が屋根になったアーケードや柱廊のことで,ボローニャの町の特徴でもあります.市内全体では62qにも及ぶ長さ!12世紀から現在にわたりボローニャ市内に造られたこれらポルティコ群と周辺地域の12のポルティコ群が今回登録されました.
ポルティコはもともと建物の居住空間の増設のため誕生しました.それが屋根付きの歩道として,また商業活動の場として,人々の交流の空間として,何世紀にも渡ってボローニャのシンボルとなっています.中世期以降のボローニャ大学の学生の増加もポルティコの増設につながったと言われています.
![]() 【写真:美しいポルティコの 下を散歩するのも楽しい. 】 |
(3)モンテカティーニ.テルメ.ヨーロッパ7ヶ国11の温泉が今回登録され,イタリアのモンテカティーニ.テルメがその中に含まれました.
この地の温泉水はすでに古代ローマ人に高く評価されていて,それ以後長い歴史があります.最初に温泉施設として整備したのは,1773年から1783年頃,18世紀のことでした.この頃から貴族たちの憩いの場や治癒の場として徐々に発展していきます.現在では大規模な国際リゾート地というイメージ.施設内には,美しい庭園やサロン,またカジノや劇場などもあります.イタリアのテルメは日本の温泉とは少し違い,飲泉がメインだったり,入浴の温度も低かったりしますが,かなり優雅な気分に浸れるので一度ぜひ体験してみてください.