![]() 【写真:ミラノで開催の印象派モネ展.】 |
去年の秋は2回目のロックダウンで泣く泣く企画展を中止せざるを得ない状況のイタリアでしたが,今年2021年の秋は大丈夫!…という事で,9月末から10月にかけて一気に各地の美術館や博物館で大型企画展覧展がスタートします.
去年は家でオンライン鑑賞しながら憂さ晴らしをしていましたが,今年は感染対策をしながら(イタリアの美術館や映画館はワクチン接種証明書の提示が必須です)芸術の秋を楽しみたいと思います.
2021年の芸術の秋,見逃せない展覧会をご紹介しましょう.
まずミラノ王宮美術館で9月18日から開催されているフランス印象派のモネ展.モネの最大コレクションを持つパリのマルモッタン美術館,および芸術アカデミー.フランスとの共同で開催.
マルモッタン美術館からは50点以上もの作品が展示されていています.7つのセクションに分かれ,光の反射とその変化をテーマにしていて,もちろんあの有名な水連などの傑作も展示されています.来年2022年1月30日まで.
![]() 【写真:ローマではクリムト展に注目.】 |
ローマのブラスキ宮ローマ美術館ではクリムト展が10月26日から開催されます.ウィーンのベルヴェデーレ美術館とクリムト財団から200点以上の作品が展示予定.
ベルヴェデーレ美術館はクリムト絵画の世界最大かつ最も有名な作品コレクションを所有していることで有名です.また絵画のみならず,素描やポスターなど14ものセクションでクリムトの人生と作品を辿る展示.特にクリムトのイタリアでの経験に焦点をあてた展示になっています.来年3月27日まで開催.
![]() 【写真:ボルディーニ描く 肖像画にうっとり.】 |
ボローニャのアルベルガーティ宮では10月29日からベル.エポック期の画家で今年没後90年のジョヴァンニ.ボルディーニ展が始まります.
19世紀末の華やかなパリで活躍したボルディーニは主に上流階級の女性の肖像画を描くに長けていました.彼の描く女性はどれも本当に美しくて,官能的ながら気品があって…また筆のタッチが独特でドレスの表現も素晴らしいです.来年2月27日まで.
![]() 【写真:奇想の版画家 エッシャーの世界.】 |
ジェノヴァのドゥカーレ宮殿では9月9日からオランダの奇才エッシャー展が開催されています.日本でも有名なので説明は不要ですが,奇想の版画家との異名を持つエッシャーはイタリアでもかなり人気.いわゆる「だまし絵」を中心とした不思議な世界を表現した魅力的な作品が約200点以上も展示されています.またエッシャーがイタリア滞在中にインスピレーションを受けた18世紀の版画家ピラネージの作品などとの比較といった展示も興味深いです.2022年2月20日まで開催中です.