<妖精の木>にはご用心! 妖精の住む国,アイルランド<br>An Irish fairy lived in the bushes destroyed brought down a great curse | ワーキングホリデー通信
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<妖精の木>にはご用心! 妖精の住む国,アイルランド
An Irish fairy lived in the bushes destroyed brought down a great curse


【写真:サンザシ(Hawthorn)の木.
こういう茂みには妖精が
住んでいる可能性大?】

最近再び,アイルランド始めヨーロッパ全体で,新型コロナ感染者が激増し始めましたね.夏場は高温多湿でウィルスの動きが鈍かったのか,気候が寒くなり他のウィルスも活性化する中,再び新型コロナが猛威を振るうかもしれないと思うと,恐ろしいです.

今月下旬で夏時間も終わり,ハロウィーンが待っていますが,例年盛り上がる様々なハロウィーン関連のイベントもキャンセルになったり,オンライン開催に変更されたりを余儀なくされそうです.せっかくハロウィーンが近いのに,毎回新型コロナの話題をここで書くのもアレなので,今回はハロウィーンにちなみ(?),『妖精の木』に関するお話をご紹介します.


ご存知,アイルランドは妖精や霊の存在を信じる人が多い国.距離的.文化的に遠いにもかかわらず,日本の文化伝承とも通ずるような不思議な話が多くあります.『妖精の木』もその一つで,例えばアイルランドで新しく広い道路ができる,となった時,その新しい道が『妖精の木』や『妖精が住む茂み』などをまたいでしまう場合,その木や茂みを故意に避けて道路工事を始める,といったことがあります.
私が以前住んでいた住宅地の横の道路がそうで,20年ほど前に広い道路ができることになった時,住宅地横の茂みを避けて,道路ができました.

理由は「その茂みはSacred fairy bush(神聖なる妖精の茂み)」であったから,だとか.


日本でも,道路の真ん中に大木がどーんと立ち,道路がその樹木を避けるように続くといった場所があります.工事中,その木を切ろうとしたが悪いことが起こったり,ご神木であった……といった理由で,そうなったと聞くこともあります.アイルランドでも,まさに同じ話が人々の間でウワサされるのですが,神聖な妖精の木を切ってしまったがゆえに,不幸になったと信じられている有名な話があります.それは米国デロリアン社に起きた話.

デロリアン(De Lorean),といえば1985年からシリーズ化された人気映画『バック.トゥ.ザ.フューチャー』に出てくる,車型のタイムマシーンを思い出される方もいるかもしれませんが,そのタイムマシーンのベースとなった車『DMC-12』を製造していたのが,デロリアン社でした.


米国系の自動車製造会社だったので,本社はアメリカでしたが,製造工場があったのは北アイルランドのアントリム州(Co. Antrim)ダンマリ―村(Dunmurry).その村には,妖精が好んで住むというサンザシの茨が多く生えており,実際何人もの村人たちが,早朝仕事へ出た際に,そこで妖精たちが踊っているのを見た!というほど.
しかし,ダンマリ―村にデロリアンの工場建設が始まった時,村人たちの必死の反対にも関わらず,これら妖精の茂みはすべて取り払われてしまったのでした.その後工場はできたのですが,デロリアン社に様々な不幸が降りかかり,結局7年後には破産してしまうのです.

そういうわけで,もしサンザシの木や茨など,妖精が好きそうな木や茂みを通りかかったら,荒らさずにそっとしてあげてください.とはいえ,信じるも信じないも,ア.ナ.タ.シ.ダ.イ――.



2020/10/13(火) Uisce
No.6654 (アイルランド)

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