![]() 【写真:アイルランドのレストランやパブでは, 客がオーダーする食事の情報も記録し, 必要があれば警察に報告することに】 |
ここ最近,アイルランドや他のヨーロッパの国々での,新型コロナウィルス感染者が再び右上がりに増えているので心配です.
アイルランドで一番感染者が多いのは,首都で人口も多いダブリンエリアですが,最近はアイルランド南西部のリムリックなど,他地域でも感染者が増えてきているようです.9月に入ってから,陽性患者が200人を超えることも多くなったため,アイルランド政府は9月15日に,今後半年〜9カ月のロードマップ(新型コロナ予防に関する今後の計画)を発表するのだとか.
この新型コロナの影響で,色々なことが制限されたり,延期になったりキャンセルになったりと,ガマンを強いられてきている私たちですが,特にアイルランドの人たちにとって未曾有のことの一つに,すべてのパブがまだ営業再開できていない状況があります.
年々「ウチ飲み」が若い世代を中心に増え,パブの数も減りつつあるこの国ですが,それでもパブは『パブリックハウス』の略語であるとおり,人々の『社交場』であり,病院や大きなスーパーがない村や町でも,パブだけはいくつもあるのが当たり前でした.つまり,他国の酒場やバーに比べ,アイルランドのパブは人々にとって大きい存在なわけです.
![]() 【写真:パブやレストランなど,アイルランドの 外食産業の受難は続きそうです (ダブリンのテンプルバーにて)】 |
そんなパブが6月末から営業再開を許されているのは,お酒だけではなく,€9以上の食事も提供できる店のみ.お酒オンリー,もしくはちょっとしたおつまみ程度だけ提供するパブは,未だに営業ができずにいます.
現在のところ,ちゃんとした食事を提供できない,いわゆる≪ウェットパブ(wet pubs)≫が再開できるとされている日は9月21日.しかし,このままアイルランドでの感染者が増え続けるなら,これらのパブは9月21日以降も営業停止を続けるべきだ,という意見も出てきています.
更に,既に営業再開を許されているパブやレストランに対しても,新しい法律ができました.食事を提供するパブ.レストランは,客に本当に食事も提供しているかどうか,レシートを28日間保存し,いつでも警察がチェックできるようにしておかねばならなくなったのです.
「ただでさえ,色々と負担が増えているのに,これ以上書類上の仕事が増えたら困る」
「なんでわざわざそんなの記録しておかないといけないんだ」
と影響を受けるパブやレストランから,かなりの批判もでていますが,食事を出せないがために営業停止を強いられているパブが,再び営業許可されるまで続く法律なのでしょう.
とりあえずは,今後寒くなる季節に向け,政府がどういう計画をもって,新型コロナ対策をとっていくのか,しっかりチェックしたいと思います.