![]() 【写真:ウフィッツィ美術館】 |
かれこれ3ヶ月ほどの休館.休業を強いられた文化施設や美術館...しかし6月に入り,少しずつですが各地で再開しつつあります.
イタリア共和国記念日6月2日に,まず50カ所の考古学公園の再オープンがありました.そしてウィルスの新規感染者がほとんどいなくなった地域や町の美術館.博物館などが続いて再オープン.フェラーラ美術館やトリエステのミラマーレ城歴史博物館,トリノの王宮群,フィレンツェのアカデミア美術館と楽器博物館,ナポリ王宮の中庭など.
![]() 【写真:考古学博物館や屋外博物館も 順調な再スタート】 |
そしてイタリアで最も訪問者の多い,そして重要な美術館の一つウフィッツィ美術館も6月3日に,なんと85日間にわたる休館を経て再オープンしました.初日はアイケ.シュミット館長自らが来場者を出迎え,大きく報道されました.
シュミット館長は「85日間の休館で約1200万ユーロの損害が出ました...しかし国の再生は芸術から始まります.今日ここフィレンツェのウフィッツィ美術館で始まることは,非常に重要で象徴的な証でもあります.この歴史的な瞬間にここで経験する,今までとは違う形での訪問と鑑賞モデルが,明日のイタリア観光のロールモデルになれば喜ばしい」と述べました.
そして今後数年以内に,ウフィツィ美術館の倉庫に保管されている作品を使った展覧会をフィレンツェで開催する計画があることなども発表.こうした明るいニュースを久しぶりに聞いて心が躍ります.
![]() 【写真:ウフィッツィ美術館内部】 |
さて,今までとは違う新しい鑑賞方法ですが...ウフィッツィ美術館の場合,当分の間は水.木.金曜日の午後2時から6時半までと土.日の午前9時から午後6時30分までの開館となるようです.
最終入場は閉館時間の1時間前.最大450人が同時に入館できます.これは以前の半分の人数だそうです.また,ボッティチェッリの『ヴィーナス誕生』と『春』,ミケランジェロの『トンド.ドーニ』,カラヴァッジョの『メドゥーサ』などの主要かつ有名な名画が収蔵されている部屋には,床にソーシャル.ディスタンスのシールが貼られています.
入口ではサーモスキャナーを使って検温.37.5℃以上熱がある人の立ち入りは禁止,そしてマスク着用が義務づけられています.そしてグループで入館する場合は最大10名までになったようです.
こうしたことは他の美術館.博物館もほとんど差はないと思いますので,事前にホームページなどで確認することをオススメします.
![]() 【写真:ピッティ宮内部. 数百人が再開を喜ぶ姿が見られた.】 |
ウフィツィ美術館の再オープン最初の週末には,8376人の来場者がありました.そのほとんどがイタリア人.今まで何十万人もの外国人観光客であふれていたのが遠い昔のように思えますね.
しかし館長は「これらはポジティブな数字,ロックダウンを経験して,更に芸術と美しさへの欲求が大きくなったことを示していると思います」と前向きな発言でした.