![]() 【写真:新型コロナウィルス(COVID-19) 予防のための喚起ポスター】 |
世界中を現在震撼させている新型コロナウィルス.
2月下旬に北イタリア地方から,欧州全土にあっという間にコロナが広がり,現在も収まるどころか日々感染者が急増している状態となっています.2020年3月28日時点で,アイルランド政府が発表している新型コロナウィルス感染者の数は2,415人,亡くなられた方は36人となっています.
およそ80%ぐらいの感染者の症状は軽症〜普通の症状で,14%が重症,残りの6%は致命的で命を失う可能性,なのだそう.

アイルランドで,初めて新型コロナウィルス感染患者が出たのは,2020年2月29日.この時既にイタリア北部で新型コロナウィルスが広がりつつありましたが,ちょうどこの頃,アイルランドや他ヨーロッパの国々は学校が中間休み(ミッドターム.ブレイク)でした.そのため,北イタリアへスキーなど休暇で訪れていた人々が多く,こうした人々が当地で感染,知らずにそのまま自分の国へ戻り,それぞれの国で広がっていった……というパターンが少なくありません.
3月に入ってますます感染は広がっていき,学校閉鎖,そしてパブやホテルのバーなども営業停止となりました.さらに運の悪いことに,アイルランドでは1年で一番大事なイベントの一つである,聖パトリックデー(St. Patrick's Day)が3月半ばに迫っていました.そして当然のことながら,集団で集まるイベントは新型コロナウィルス感染を広げる,という懸念からやむなく中止に.
私が覚えている中で,聖パトリックデーが中止になったケースは,2001年に英国.アイルランドで流行った口蹄疫(foot-and-mouth disease)以来だったと思います.

他の国々同様に,アイルランドでもコロナウィルス陽性となる人は後を絶たず,さまざまなお店なども営業を停止し始めました.私の友人は,町の靴屋さんに長く勤めているのですが,現在店が閉まっているので仕事がないとのこと.でもそれよりも,コロナウィルスに感染するのが怖く,スーパーに食材を買いに行く以外,極力外出をしないようにしている,と言っていました.
そしてとうとう2020年3月27日,アイルランドのティーショック(首相)バラッカー首相が,3月28日0時より2週間後の4月12日まで,外出禁止令を発令しました.それは,公の場であろうと私的な場であろうと,単独世帯以外で複数で会うことは禁止.『例外』を除いては,外出をしてはならない――といった内容です.
『例外』で外出しても良い時とは,例えばテレワークができないタイプの仕事に従事している人の通勤だったり,食材を買い出しに行かなければならない時,介助など手助けが必要とする人を助けるための外出や,ちょっとした運動のための外出のよう.基本的に自宅から2km以上離れての移動は禁止のようですが,へき地在住者の場合,近所にスーパーや薬局などがないことも多いので(パブはどこの村にもありますが.苦笑),そういう場合は2kmを超えて移動しても良いのだそうです.
![]() 【写真:新型コロナウィルス (COVID-19)予防のための 喚起ポスター】 |
もし上記のことを守らずに外をウロウロしていたら,今後パトロールする警察が増えるそうなので,職務質問を受ける可能性が増えそうですね…….イタリアやフランスでは,外出するたび許可証を所持しなければ罰金,という話を聞いたことがあるのですが,今のところアイルランドでそういう話はまだない気がします.今後どう変わっていくか分かりませんので,現在ワーキングホリデーでアイルランドに滞在していらっしゃる皆さん,これから渡る予定でいる皆さんは,現地のニュース,在アイルランド日本大使館や,在日本アイルランド大使館からの知らせに,常に注意しておかれますよう.
手洗いやうがい,食生活や睡眠など十分健康にお気をつけて,コロナに負けないようがんばりましょう.