![]() 【写真:常に持ち歩いている消毒グッズ】 |
先週,以前暮らしていたブライトンから便りがありました.それは新型コロナウイルス(※1)に関するものでした.
シンガポールでカンファレンスに出席し,その後フランスのスキーリゾートで休暇をした男性が,ブライトンへ帰郷後に新型コロナウイルスへの感染が発覚.さらにはこの男性とそのリゾートで一緒だった濃厚接触者(※2)にあたる人々も多く感染したために,彼は「Super spreader(スーパースプレッダー)」として報道されました.彼がスーパースプレッダー(感染者がさらに多くの人へと二次感染を引き起こす)の定義に当てはまるかについては,議論があるようですが,私が便りを受けた理由は,日本語グループが利用していた施設に,その男性の出入りがあったことでした.受付の方は接触があったので一定期間自宅待機(self-isolation)となり,さらには男性が訪れたパブなども名前が公表されました.(※男性は回復しているとの報道がされました)
私の現在暮らしているエクセターでは,そこまで人々の話題に新型ウイルスがのぼってきている印象はありません.また『マスクの有効性』については科学的根拠がないと言われているせいか,風邪予防のためのマスク習慣はこちらにありません.なので,私が日本のマスクがなくなったときに薬局へ行くと,medical maskといわないと,フェイシャルマスクと取られることがほとんどです.普段できないような,まさにお医者さんがするようなマスクなので,自宅のみで使用.
日本ではフランスでのアジア人差別報道が少しなされたようですが,今回の騒動で英国でも偏見が増えた印象はあります.
知人も(酔っ払いだったとは言え)バスの中で「ウイルス持っているんじゃないか」と絡まれたそうです.そういう話は,残念ながらアジア人の友人の中でもありました.不安から生まれる偏見なのでしょうが,もし飛沫感染をするのであれば,マスクをすればその経路の感染リスクはさげるだろうし,手洗いだけではなく,うがいの習慣も取り入れれば,少なくとも不安軽減につながらないだろうかと思うのですが,英国(ヨーロッパ全体にも言える)のこれまでの習慣を変えることはたやすくはありません.
ちなみに,日本からビジネス目的で3月渡英予定だった知人は,数件の訪問予定先から現時点でミーティングをキャンセルたいと申し出があったと言っていました.大きな団体.会社ともなると,やはり自国民(この場合は社員やその家族も含め)を守ることを優先に考え,英国では優先として衛生管理とは違う,水際対策のような危機管理の在り方が個々人であるのだと気が付かされます.
ところで話はまた変わりますが,こちらにも手に入る消毒ジェルはあります(写真).少し強めのジェルですが,公共交通機関を利用した際に使うことが多いです.あとはレストランやカフェでも,あまりテーブルが清潔とは言えないところもあるので,そこで自分の持参ワイプ(手拭き用など)を種類を分けて,ケース.バイ.ケースで使用しています.もしアルコールなどの強めの消毒が手荒れを引き起こすなどの症状がある方は,ハーブのtea tree(ティー.ツリー)ジェルがニールズ.ヤードレメディズなどで購入できるので参考にしてください.
最後に別件ですが,アメリカではインフルエンザが今年も猛威を振るっており,今期も1万人をこえる方が亡くなったとの報道があり(2月13日付),英国内では昨年から引き続き大学やカレッジの年齢層におけるおたふくかぜの流行が指摘されています.怖いのは新型コロナウイルスだけではありません!みなさんも,自身でできる範囲でくれぐれも身体に気を付けて,日々を元気に過ごしてください.
※ 記事は2月13日付で書いたものですので,新型ウイルス情報は最新ではありません.ご了承ください.
※1 通常の報道で『新型肺炎』と言う名が使われておりますが,こちらの記事では厚生労働省のページで使われている『新型コロナウイルス感染症』を短くした『新型コロナウイルス』で統一しました.
※2 濃厚接触者のわかりやすい定義は定義はこちら.
広島市役所 濃厚接触者について(108KB)(PDF文書)
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1580436747625/simple/sessyokusya.pdf
広島市役所 新型コロナウイルス対策について
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/sp/contents/1580436747625/index.html
※その他:2月13日付の報道(下記記事)で,新型コロナウイルスは物体表面での長期生存の可能性があるとありました.
SPUTNIK『コロナウイルスの物体表面での生存期間が明らかに』
(2020年2月13日)
https://jp.sputniknews.com/science/202002137103750/