
最近アジア人をターゲットにしたスリやひったくりがパリで以前にも増して多発していると聞きます.現地に長年住み,その手の犯罪に十分に気をつけている人でも被害にあうケースは十分にあります.被害者は国籍を問いませんが,特に現金を持ち歩くことが知られているアジア人は,格好の対象となっているようです.
私もピックポケットや盗難の被害にあったり,被害にあった友人を目の当たりにした経験があり,本当に不快な思いをしました.今後被害が減ることを願いますが,自分たちでも未然に被害を防ぐために出来ることはあると思います.
パリで華美な格好をしてメトロやバスなどの公共交通機関に乗ると,スリなどに目を付けられてしまいます.バッグは肩からかけたり,常に手をバッグに触れておくなどして十分に気を付けて下さい.
携帯を触ったりして移動中の注意が散漫にならないようにしたいものです.満員電車も要注意です.バッグは前に抱えるなどして被害を防いで下さい.犯人の中には複数でチームを組んでいるケースも耳にします(子供の犯罪も有名です).
メトロ内で,進行方向などを尋ねるふりをしたり,わざと落し物をして取ってもらうなどして気をそらし,その間に他の犯人がスリを行うなど,手段は昔からのもの,巧妙なものまで多岐にわたります.チケット売り場で現金やカードをしまう場所や暗証番号を見られ,その後跡を付けられ,メトロに乗ってから犯行を犯すケースも聞きます.
万が一バッグを取られるなどの被害にあったら,すぐに銀行やクレジット会社へ連絡し,カードを止めてもらいましょう.
カードをかざすだけで少額のカード支払いができるようになった最近のフランスの銀行カードを犯行後すぐに使われるケースも多発しています.もちろん,この場合の被害額は保証されます.フランスの銀行口座を持っている人は,自動的に保険が付帯しているケースがほとんどで,被害額補填だけでなく,鍵の紛失により鍵を交換する費用,滞在許可証の再発行にかかる費用などもこの銀行保険が負担してくれるのです.これは事前に知っておくと大変便利です.
アパートを借りる際に必ず加入する,住宅保険でも補填される場合があります.警察の被害届が必要になるので,すぐに警察署に行くといいでしょう.
また,レストランやカフェ内で従業員が犯行に及ぶケースも聞きました.現金をテーブルに置いたまま席を立ったり,バッグを背中に置いて話に夢中になっている間に取られたり,耳を疑うかのような話です.
皆さんもパリでの移動中,外出時は十分に気をつけて下さい.