![]() 【写真:左から「自由党」「NDP」「緑の党」の党首 (C)kelownanow.com】 |
7月に入りましたね.バンクーバー地方は連日快晴で,気持ちの良い夏日が2週間以上続いています.そして先日の7月1日はカナダ建国記念日『カナダ.デー』だったのですが,今年は建国150周年という記念の年で,各地でイベントが盛り上がりました.そんな記念すべき年に,私が住むブリティッシュ.コロンビア州(以下BC州)で大きな変化がありました.『16年ぶりの政権交代』です.今回はその事についてリポートしたいと思います.
これまで過去16年間に渡ってBC州の政権を握っていたのはクリスティ.クラークBC州首相率いる『自由党』でした.この16年の間,大まかに言うと自由党は「富裕層を優遇するのに対し中間層を冷遇,そして私立校への予算は拡大するのに対し,公立校への予算は大幅カット.利益優先で自然環境の事も考えていない.」といった政治を推し進め,一般州民の間では「州民の中でも限られている一部の富裕層のみを厚遇し,環境にも優しくない政党」と批判されていました.特に過去数年の彼らの政策は本当に酷いもので,特に環境問題への無関心さ(キンダーモルガン."オイル"パイプラインの施行推進,リッチモンド-デルタ間に有料橋の新設を計画など)は目に余るものがありました.それでも何故か,16年間も政権を維持し続けてこれたのだから本当に不思議です.そんな自由党に対して批判の声が最高潮に達していた今年の5月9日,4年ぶりとなるBC州議会議員選挙が行われました.
BC州議会定数87席の内,過半数44議席を獲得した政党が勝者となります.投票結果は自由党43,新民主党(以下NDP)41,緑の党3,という結果に.どの党も議席の過半数に満たなかったこと,そしてこの時点ではまだ不在者投票が未開票だった事もあり,選挙当日に新政党が決まらないという稀に見る接戦となりました.特に今回は3議席を獲得し3番手となった「緑の党」の動向に注目が集まりました.というのも,彼らは獲得数の少なさから単独政権こそ握れないものの,自由党,もしくはNDPに加勢する事で,自由党は46,NDPは44と双方が過半数以上となり,どちらかの政党と共同で政権を握る事が出来るようになるのです.なので「緑の党は自由党かNDP,どちらに付くのか」と話題になりました.
そして結果ですが,環境問題を重視する「緑の党」が同じく環境問題への対策を公約に挙げていたNDP側に付いた事,6月29日に開かれた議会で自由党少数派政権の不信任案が自由党42,NDP/グリーン党44で可決された事を受け,16年にも及んだ自由党政権に終止符が打たれました.NDPを支持していた私としては,本当に嬉しい限り!自由党が政権を握っていた間は「BC州は第一世界の州とは思えないような不平等政策を取っている」としみじみ思うほどの暗黒時代だったので.しかし,指示していたNDPが勝利したとはいえ,緑の党との共同政権ですし,自由党が残した問題は山積みとなっています.NDP/緑の党の政権がこの先どうなるかまだ分かりませんが,次期BC州首相ジョン.ホーガン氏率いるNDPが掲げる「州民の為に働く政府が政権をとる時だ」という言葉に期待したいと思います.